
ウェリントン:世界中のプロラグビーチームやトーナメントが厳しい財政的逆風にさらされる中、日本はチームと観客数の歴史的な増加でトレンドに逆らい続けている。
ジャパンラグビートップリーグは、来シーズンから新たに3クラブが加わり、3つのディビジョンで26チームとなる。
埼玉県を本拠地とするセコムラグガッツ、戸田市を本拠地とするヤクルトレビンズ、うきは市を本拠地とするレアリロ福岡が3部に加わる。1部は12チーム、2部は8チーム、3部は6チームとなる。
日本の大企業は、チームスポンサーを通じてラグビーに関わることに強い関心を示し続けている。外国人トッププレーヤーは、以前よりも若い年齢で日本に引き寄せられ、長く滞在するようになっている。
一方、他の多くの国では、プロラグビーの状況は厳しい。
英国では、ワスプスとウスター・ウォリアーズという2つの強豪クラブが財政的に破綻し、閉鎖された。ロンドン・アイリッシュは3,000万ポンド(3,800万米ドル)以上の負債を抱えており、買収提案がなければ破綻していたかもしれない。
イギリスのプレミアシップ・ラグビーによる損失は、過去1年間で倍増し、3600万ポンド(4600万ドル)に達した。多くのクラブが多額の負債を抱えている。
ニュージーランドラグビーは、2023年には4700万ニュージーランド・ドル(2900万ドル)の財政赤字となり、今シーズンも赤字が予想されている。ラグビー関係者は最近、国として支援するプロチームの数を減らすことを議論している。
ラグビーオーストラリアは昨年920万オーストラリアドル(約640万円)の赤字を出し、9000万豪ドル(約6000万円)近い負債を抱えている。スーパーラグビーのメルボルン・レベルズは解散の危機に瀕している。
フランスのトップ14の大会とチームは、主に裕福な後援者の支援により、今のところ黒字を維持している。
現在3年目のジャパンラグビートップリーグは、2019年のラグビーワールドカップ開催以来、強化が続いている。
ファン、放送局、スポンサー、企業チームオーナー、そして外国人選手からの反応も上々だ。
JRLOの庄司肇最高執行責任者(COO)は、「外国人選手から聞こえてくるのは、ここでのプレー環境を楽しんでいること、そして家族にとっても良い環境だということです」
「サポートする企業も、レベルの高い試合に対する熱意が高まっていることを大変喜んでいます。従って、既存の企業も新規の企業も含めて、日本企業の期待に応えているのです」
オールブラックスのフォワードとして長く活躍しているサム・ケインも、日本代表や国内ラグビーの仕事の合間を縫って日本でリーグ戦を体験しているエリート外国人選手の一人だ。ケインは今週初め、東京に本拠地を置くサントリーサンゴリアスと3年契約を結ぶため、ニュージーランドラグビーとの契約最終年である2025年からの契約解除を求めたと発表した。
知名度の高い選手たちは、より多くの観客を引きつけている。今シーズンのリーグ・ワンには、昨年の75万人を上回る100万人以上のファンが観戦に訪れている。
土曜日と日曜日に行われる準決勝(スタジアムの収容人数によって入場が制限される)には約1万8000人の観客が集まり、翌週に6万8000人収容のナショナル・スタジアムで行われる決勝には5万人以上の観客が集まると予想されている。
「今年の目標は90万人でしたが、シーズン終了までに110万人を達成すれば、その目標を大きく上回ることになります。私たちの願望というか、大きな期待は、これからも増え続けることです」と玉塚元一Jリーグチェアマンは語った。
「ラグビーのレベルにおいてより高い基準を設定し、日本の選手たちに非常に良い影響を与えている、本当に素晴らしい選手たちが日本に来てくれていることに感謝しています」
リーグの次の段階として、さらなる拡大があるかもしれない。
「私たちは(育成を)3つの段階に分けています」と玉塚氏は言い、9年間の計画を3年、3年の段階に分けて説明した。「今は第一段階を終えているところです。私や肇をはじめとするチームメンバー、各チームのゼネラルマネージャー、みんなでこの最初の3年間を振り返り、何が良かったのか、何を改善すべきなのか、各チームの視点から見て何が問題だったのかを見直す必要があります」
リーグが日本代表の成績にどのように貢献するかは、ひとつの検討事項である。
「現在のフォーマットが正しいのか、シーズン中に何試合あるべきなのか、国境を越えた試合はどうあるべきなのか。ラグビーの成長はアジア太平洋地域で顕著であり、リーグ・ワンをアジア太平洋の中心にしたい」
「私たちは良い方向に進んでおり、来年もエキサイティングな年になるでしょう」。
AP