
バレーボール男子の日本は準々決勝でイタリアに2―3で惜敗し、52年ぶりの金メダル獲得はならなかった。4年後の雪辱へ主軸になりそうなのが22歳の高橋藍(サントリー)。石川祐希(ペルージャ)の対角に入り、攻守で日本を支えた。
京都・東山高では、中大時代の石川を監督として指導したコーチの松永理生さん(42)から、石川がどのような練習をしていたか、よく聞いていたという。エースとして全日本高校選手権を制し、日体大に進学した2020年には日本代表に初選出された。松永さんは「代表に入った瞬間から『祐希さんを超えます』と言っていた」と証言する。
サーブレシーブが得意で、元日本代表リベロで日体大の山本健之監督に「独特のセンスを感じる。ボールを乗せるのがうまい」と言わしめる。その守備力が買われ、8強入りした21年東京五輪でも主力に抜てきされた。
パリ五輪でさらなる好成績を残すため、21~22年シーズンからイタリア1部リーグでプレー。「(日本代表の)ブラン監督から『挑戦したい気持ちはあるか』と聞かれたところから始まっている」と高橋藍。日頃から高いブロックと相対して攻撃力にも磨きをかけ、昨季はモンツァの準優勝に貢献した。
パリ五輪前のネーションズリーグは左足首の捻挫で途中離脱したが、本番には間に合わせた。1次リーグを含めた4試合でほぼフル出場。準々決勝は何度もマッチポイントを握りながら逆転負けし、「ここで勝つ選手になりたい」と誓った。
日本の主力は石川ら30歳前後の選手が多く、4年後のロサンゼルス五輪に向けて顔触れが大きく変わる可能性もある。日本男子バレー界屈指の人気を誇る次世代エースは「次にこの舞台で勝つために、さらに準備しないといけない」と決意を新たにした。
時事通信