Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 特集
  • 英女王エリザベス2世が96歳で死去

英女王エリザベス2世が96歳で死去

Short Url:
09 Sep 2022 03:09:36 GMT9
09 Sep 2022 03:09:36 GMT9
  • 長男チャールズ皇太子(73)が自動的に英国王となる

ロンドン:英国で最も長く在位した君主で、70年にわたって同国の顔であったエリザベス女王が、スコットランドの居宅において96歳でこの世を去った。

「女王は今日午後、バルモラル城で安らかに息を引き取った」とバッキンガム宮殿は声明で伝えた。「国王と王妃は、今夜はバルモラル城で過ごし、明日ロンドンに戻る予定」とのことだ。

エリザベス女王の長男チャールズ皇太子(73)が自動的に英国王および、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを含む他の14の王国の国家元首となる。妻であるカミラ夫人は王妃となる。

木曜正午を過ぎてすぐに、担当医らが女王は医師の管理下に入ったと述べ、女王の体調悪化が知らされた。家族はスコットランドの居宅であるバルモラル城に滞在する女王の元へ急いだ。

バッキンガム宮殿によれば、昨年末から女王は「一時的な移動に関する困難」を抱えており、ほぼ全ての公務を取り止めざるを得なかった。

最後に公務を行ったのは火曜で、女王在位中15人目の首相となるリズ・トラス首相の任命を行った。

女王の宮殿やロンドンの政府施設では、反旗が掲げられた。

世界最年長、最長在位の君主であった女王エリザベス2世は、父の国王ジョージ6世の死去により、1952年2月6日に25歳の若さで即位した。

戴冠は翌年6月に行われた。初めてテレビ放送された戴冠式は、王室メンバーの生活に対するメディアの詮索が激しさを増していく新たな時代の前触れだった。

「多くの皆さんが私に誓うように、私も皆さんに仕えることを真摯に誓いました。私の全人生を通して、誠心誠意、皆さんの信頼に値するよう努めます」と、戴冠の日の国民に向けたスピーチで女王は述べた。

エリザベス2世は、英国が旧帝国の大部分を維持していた時代に君主となった。第二次世界大戦による荒廃からの復興期で、いまだ食料配給が続き、階級と特権が社会を支配していた時代だ。

当時の英国首相はウィンストン・チャーチルで、ヨシフ・スターリンがソビエト連邦を率いており、朝鮮戦争が勃発していた。

その後の数十年で、エリザベス女王は国内外における大きな政変や社会の激動を目にしてきた。チャールズ皇太子と最初の妻である故ダイアナ妃の離婚をはじめとした彼女自身の家族の苦難は、世間の注目を集めた。

国家経済が相対的に衰退した時代に英国民にとっての安定と継続のシンボルであり続ける一方で、エリザベス女王は古くからの君主制を現代の要請に適応させようと努めた。

現在、皇太子となった孫のウィリアムは王子、「彼女は他の誰よりも、君主制を現代化させて進化させることに成功した」と、2012年のドキュメンタリーの中で述べた。

エリザベス女王は、アングロサクソンの支配者ハロルド2世をヘイスティングズの戦いで破り、1066年に英国王となったノルマン朝のウィリアム1世にまで遡る王統の、第40代目君主だった。

長い治世によって、英国君主の記録を何度も塗り替えた。高祖母にあたるヴィクトリア女王の在位期間63年超を抜いた時には、この記録更新を志したことはないと述べた。

「長い人生には必然的に多くの節目があるものです。私自身も例外ではありません」と女王は述べている。

フィリップ王配との結婚生活は、2021年4月にフィリップ王配が死去するまで73年間続き、チャールズ、アン、アンドリュー、エドワードの4人の子どもをもうけた。

メディアのインタビューに応じることはなく、批評家らは、よそよそしく超然としている印象だと述べた。

しかし、彼女以外の君主を知らない多くの国民にとっては、尊敬と称賛を集める存在であった。女王の死はひとつの時代の終焉を意味する。

「公務においては、無私無欲で賢明であり、素晴らしく寛大な精神を持っていた。それが彼女の生き方であり、彼女の導き方だった」とジョン・メージャー元首相は述べた。

「英連邦(コモンウェルス)とその他の国々の何百万もの人々にとって、彼女は我が国の心と魂の象徴であり、世界中から称賛され、尊敬されていた」

世論調査によると、チャールズ皇太子は同レベルの支持を得られておらず、エリザベス2世の死去によって、特に他の王国で共和主義的な意見が高まるのではないかと予想されている。

「誰もが、思っている以上に大きな衝撃を受けるでしょう。国家的なノイローゼに近い状態になると考えても大げさではないかもしれません」と、王室史家のヒューゴ・ビッカーズ氏は述べた。

同氏は、女王の治世に並ぶものはないだろうと述べている。

「かなり率直に言って、もし1000年生きたとしても、これほどのものは二度と見られないでしょう」

死去の時点で、女王は英国だけでなく、オーストラリア、バハマ、ベリーズ、カナダ、グレナダ、ジャマイカ、ニュージーランド、パプアニューギニア、セントルシア、セントクリストファー・ネイビス、ツバル、ソロモン諸島、セントビンセント及びグレナディーン諸島、アンティグア・バーブーダの国家元首でもあった。

ロイター

 

特に人気
オススメ

return to top