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北朝鮮が核戦力強化の方針を示し、米国の敵意に言及

朝鮮中央通信は金氏の発言を引用し、「米国が敵対視政策を撤回するかどうかが(北朝鮮との)新たな関係樹立の鍵だ」と報じた。(資料/AFP通信)
朝鮮中央通信は金氏の発言を引用し、「米国が敵対視政策を撤回するかどうかが(北朝鮮との)新たな関係樹立の鍵だ」と報じた。(資料/AFP通信)
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09 Jan 2021 09:01:07 GMT9
09 Jan 2021 09:01:07 GMT9
  • 今週開かれた重要な与党大会での金氏の発言は、バイデン次期大統領による次期政権に圧力をかけるものと見られている

韓国ソウル:北朝鮮の国営メディアが土曜日に行った報道によると、北朝鮮の指導者、金正恩氏は、米国との関係は米国が敵対視政策を放棄するかどうかにかかっていると述べ、開発中のハイテク兵器システムのリストを公開し、核戦力を強化する方針を示した。

今週開かれた重要な与党大会での金氏の発言は、バイデン次期大統領による次期政権に圧力をかけるものと見られている。バイデン氏は金氏を「悪党」と呼び、トランプ大統領との首脳会談を批判していた。

朝鮮中央通信は金氏の発言を引用し、「米国が敵対視政策を撤回するかどうかが(北朝鮮との)新たな関係樹立の鍵だ」と報じた。

金氏は、「敵対勢力」が先に北朝鮮に対して核兵器を使用しようとしない限り、北朝鮮は核兵器を使用しないと述べた。金氏はまた、米国政府が対話の意思を示せば対話に応じることを示唆したが、北朝鮮は米国の敵対行為の激化に対処するために軍事力と核戦力をさらに強化しなければならないと強調した。

金氏は再び米国を北朝鮮の「主敵」と呼んだ。

「米国で誰が政権に就いても、その基本的性質と敵対視政策は決して変わることはない」と金氏は述べた。
1月20日に大統領に就任するバイデン氏は、北朝鮮の指導者である金氏が大幅な非核化に踏み切らない限り、金氏と直接会談する可能性は低いと見られる。

ウィルソン・センターのアジア・プログラムのチョン・ソンチャン研究員は、金氏の演説は、実務者レベルの交渉で対立する問題を先に解決しなければならないとバイデン氏が主張するならば、金氏はバイデン氏との非核化交渉に興味がないことを示していると指摘した。

金氏は米国の具体的な挑発的行動については言及しなかった。北朝鮮はこれまで、米軍による韓国との定期的な軍事演習や在韓米軍の存在を敵意の証拠と呼んできた。特に、北朝鮮は米韓軍事演習を侵略のリハーサルと見なしているが、同盟国である米国と韓国はこれを繰り返し否定してきた。

金氏は開発中の高度な兵器システムを列挙した。その中には、多弾頭ミサイル、潜水艦発射型の核ミサイル、固体燃料式長距離ミサイル、軍事偵察衛星などが含まれている。金氏はまた、北朝鮮は明らかに米国本土を想定した1万5,000キロ(9,320マイル)の射程に入る標的に対する精密攻撃能力を向上させ、長距離弾道ミサイルに搭載する小型核弾頭をより簡単に製造する技術を開発しなければならないと述べた。

金氏は「敵が最新鋭兵器をこれまで以上に増強していることがはっきりしている時に、不断の戦力強化をせず、のんきな態度を取ることほど愚かで危険なことはないだろう。我々がたえず国防を強化し、米軍の脅威を抑えることで、朝鮮半島の平和と繁栄を達成できるというのが現実だ」と述べた。

北朝鮮がこのようなシステムを開発できるかどうかは不明だ。北朝鮮は世界で最も秘密主義的な国の1つであり、北朝鮮の核とミサイルプログラムの正確な状況に関する推定には大きな幅がある。2018年に韓国政府は北朝鮮が最大60個の核兵器を保有していると推定されると発表した。

「北朝鮮が米国に伝えたいのは、最も驚異的と考えられる新しい戦略兵器を北朝鮮が開発しているということだ。交渉の席につきたいのか米国に問うている。金氏は対話のドアを開けているが、バイデン氏には金氏が簡単な(対話の)相手ではないというメッセージを送っている」とソウルの峨山(アサン)政策研究所の崔剛(チェ・カン)副所長は指摘した。

与党の党大会は5年ぶりに開催された。朝鮮中央通信によると、金氏は火曜から木曜までの活動総括報告の中で、計9時間にわたって発言したという。

党大会は朝鮮労働党の最高意思決定機関だ。同大会は、北朝鮮の対外貿易を激減させたパンデミック関連の国境閉鎖、昨年夏に多発した自然災害、そして米国主導の制裁などがすでに脆弱な北朝鮮経済に打撃を与えたことにより、金氏が9年に及ぶ支配体制の中で最も厳しいと考えられる時期に直面する中で開催されている。

開会演説の中で、金氏はこの困難を「過去最悪」と呼び、以前の経済計画が失敗したことを認めた。土曜日に報道された金氏の他のコメントでは、より強力な自立経済を構築し、輸入への依存を減らすことを求めた。金氏は、新たな5年間の経済発展目標には、金属・化学産業への投資を増やし、消費財の生産を増やすことが含まれていると述べた。

2011年末に支配体制を確立して以来、金曜日に37歳になった金氏は、経済成長と核抑止力の拡大を同時に求める、いわゆる「並進」政策を推し進めてきた。

今週の演説で金氏は、最大の同盟国で経済的生命線でもある中国との関係をさらに強化すると述べた。金氏はまた、韓国が米国との演習を継続し、近代兵器を導入することで敵対心を煽っていると非難した。金氏は、関係改善は韓国の行動にかかっていると述べた。

韓国統一省は、朝鮮半島の平和と非核化の実現にコミットし続けていくと答えた。同省は声明で米朝協議の早期再開を望むと述べた。

AP通信

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