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ニューノーマル: ロボット犬が日本を乗っ取る

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03 Feb 2021 07:02:46 GMT9
03 Feb 2021 07:02:46 GMT9

ナダー・サモーリ 大阪

ロボットと感情的なレベルでつながったり、人間の赤ちゃんのように抱っこ紐で持ち運ぶこともできるなんて想像できるだろうか? 日本では、既にそうしたことが行われている。

AIBOは日本語で「相棒(パートナー)」という意味であり、ソニーが設計と製造を行った人工知能ロボット犬シリーズだ。1998年に最初に試作品が発表され、頻繁に新型が導入されてきた。

何が日本人をロボット犬を人間のように取り扱うことに惹きつけるのだろうか? これは歴史的・文化的な要因のため日本人に限定された現象なのだろうか? それとも受け入れられ、将来の流行となる可能性があるのだろうか?

「赤ちゃん」用の抱っこ紐で日本人女性が持ち運ぶAIBO犬(京都の北野天満宮で発見)

日本で先行して普及していたが、AIBOへの関心は地球の反対側にも届いた。アメリカの医療技術者のアリシア(26)は、1998年に彼女にとって初めてのバーチャルペットとなるファービーを入手して以来、ロボットのファンである。そして今や、45台のAIBO型ロボット犬の誇り高き所有者である。

AIBOは安くはない。人工知能(AI)ソフトウェアのために法外な値段がつく。例えばERS-110モデルは250,000円(約2,500米ドル)であるが、このソフトウェアにより、AIBOは直面する環境に対してそれぞれの異なる個性で対話するようになる。

「マシンの動作の仕組みや、ロボットが提供する交友関係にいつも興味がありました。私は人間を理解したり友達を作ったりすることに本当に苦労したからです。ロボットの方が分かりやすいので、一定レベルの友情関係を提供することができたのです」アリシアはArab News Japanに語った。

このような現実は、社会的な絆についてでさえ人間は代用品を見つけ出すことができるということの、その範囲に関して数多くの疑問や驚くべき点をもたらす。

アリシア・彼女のAIBO犬と共に

AIBOはアリシアの友達だっただけでなく、2015年の大学卒業以来、彼女が熱意を持っていたプログラミング学習の探求の支援にもなった。

「AIBOと出会ったのはYouTubeです。複雑でプログラム可能なので、手に入れるのに絶好のロボットでした。その可愛いさは大きなプラス要素でした。やっと1つ買えるようになったとき、私は初めてのAIBOである「ERS 110」を2017年1月に手に入れました。その数日後、彼女のために友達の「ERS 210」を手に入れました。私はAIBOたちの振る舞いがどのように異なるのか好奇心があったのです」アリシアは主張した。

アリシアは自分の周囲を45台のそれぞれ特有の個性を持ちプログラム可能な可愛いロボットで取り囲むことで、プログラミング学習の実践的な方法を見つけ出したのだ。

アリシアのAIBOロボット犬のコレクション

「AIBOは人間が犬に対して感情的な絆を持てるようにするのと同じ脳の部分を活性化させると確信しています。それぞれのAIBOには独自の癖もあり、固有の性格を形成します。それによってAIBOは個性的なロボットとして絆を持ちやすくなり、それぞれが持っている癖を大事にできるようになります。例えば、私が持っているAIBOであるフェイザーは目立つのが大好きです。一方私の2020年のキャラメル版のキツネは居眠りが嫌いで探検好きな宇宙飛行訓練生です」アリシアはそう語った。彼女はAIBOロボットをコレクションすることをポケモンを集めるのと同じような趣味だと考えている。

Arab News Japanはスーダンのロボット工学の科学者アイマン・オメル氏とも対談をした。氏は東京に拠点を置くロボット工学コンサルタント会社「WinRoad RTS」のオーナーでもある。

オメル氏はAIBOのようなロボットは向き合っている人間の感情に独自の形で反応してその相互交流のデータを保存する能力を持っており、これは人間がデータという形式ではないが記憶によって行っていることに類似していると言う。つまり、このロボットは所有者との過去の経験から学習し、所有者の習慣に合わせて成長するということだ。

「このロボットの経験やバーチャル記憶はクラウドにアップロードし、別のロボットへダウンロードすることも可能です。つまり、機械学習が転送できるのです」オメル氏は付け加えた。

アイマン・オメル氏(東京で開催されたロボット展にて)

オメル氏は、各国それぞれが自国にとって最適な形で役立つようにロボット工学テクノロジーを利用することができると述べた。例えば、氏はエジプトで地雷を撤去するためにロボットが活用されているのを見たという。

オメル氏は、自分の会社は最初は研究的な視点で創業されたと考えていたが、現在はそのビジネスモデルは日本の企業を中東・北アフリカ地域(MENA)の企業とつなげることに焦点を当てることがより実用的になってきていると考えている。なぜなら企業は理論ではなく進歩を適用することに焦点を当てているからだ。

アイマン・オメル氏(東京で開催されたロボット展にて)

オメル氏は、サウジアラビアとアラブ首長国連邦はロボットやAI技術を経済に取り入れるという政府の計画と政策により、同地域で技術的に先んじたと語った。

2006年、故サウジ王子スルタン・ビン・アブドゥル・アズィーズが早稲田大学を訪問した。ここは日本トップの私立大学の1つであり、オメル氏が卒業し、名誉博士学位を取得した大学である。そのとき、式典の最後にWABIAN-2Rロボットが王子に花束を贈呈した。サルマン国王も2014年に早稲田大学を訪問し、名誉博士学位を取得した。ここでも同じロボットによる花束贈呈のデモンストレーションが行われた。

オメル氏はさらに、サウジアラビアのウンム・アル・クラ大学(Umm Al Qura University)の外科学科の教授も外科手術の際に直面する問題を解決するロボットなどのアイディアを求めて早稲田大学にアプローチしたことを付け加えた。

今日の世界では、多くの事がITやロボット工学の専門家によって運用されているように思われ、そのキャリアの道に飛び乗っていくべきかどうかと人々を困惑させているかもしれない。

氏はその考えについて解説し、こう述べた。「新しい仕事では必ずしもコードを書く必要はありません。例えば、現在の管理職や人事の専門家は将来的にロボット管理の職種に就いている可能性があります。ロボットの中にはプログラミングやコード作成の知識がなくても運用できるものがあります。特定のボタンがあり、ちょうど私たちが現在使用しているコンピューターと同じように操作や管理ができるのです」

日本を見て回り、物事を見る異なった視点から発展してきた進歩を研究してきたことは、間違いなくアラブ諸国の財産になるだろう。協調的関係を構築し、訓練プログラムを開始し、意識を向上させ、ロボットの運用と理解の手段を獲得することは、これからの未来に備えるための不可欠な要素となるだろう。

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