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「トランプ氏弾劾か、民主主義が受けた傷に長く苦しむか」、訴追者たちが迫る決断

2021年2月11日、ワシントンでのドナルド・トランプ前米国大統領への上院の弾劾訴追の公聴会3日目を終え、議会議事堂で記者団の取材に応じるチャック・シューマー上院多数党院内総務。(ロイター / トム・ブレンナー)
2021年2月11日、ワシントンでのドナルド・トランプ前米国大統領への上院の弾劾訴追の公聴会3日目を終え、議会議事堂で記者団の取材に応じるチャック・シューマー上院多数党院内総務。(ロイター / トム・ブレンナー)
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12 Feb 2021 11:02:17 GMT9
12 Feb 2021 11:02:17 GMT9

ワシントン:米上院がドナルド・トランプ氏を弾劾し公職から永久追放しない限り、トランプ氏の虚偽に基づく暴力的な扇動によってもたらされた悲惨な痛手は米国の民主主義を将来長期間にわたって苦しませることになると、木曜日、検察官役の下院議員たちは主張し、白熱した2日間の議論を締めくくった。

検察官役の下院議員たちはこの主張の正当性の説明のために、死者を伴う先月の米連邦議会議事堂襲撃のビデオを大量に提出した。ビデオ内では、侵入者たちが、トランプ氏の民主党ジョー・バイデン候補への敗北という議会が認めていた選挙結果を覆すために「大統領の命令」に従って彼らは戦っているだけなのだと誇らしげに言明していた。トランプ氏は議事堂への侵入を扇動したとして訴追されている。それは、1月6日の議会襲撃を引き起こしたホワイトハウスでの集会のずっと以前からのトランプ氏による数多くの公然かつ露骨な指示が極致に達した挙句の予想通りの結果であったと検察官役の下院議員たちは述べている。

「仮に私たちがこれを看過したら、あるいはさらに悪いことに放置してしまったら、もう二度と起こらないと誰が確言できるでしょうか?」と検察官役のコロラド州選出のジョー・ネグズ民主党下院議員は言った。トランプ氏は、たとえもう大統領職に就いていないにしても、自身の支持者たちを煽り立てて同様の災禍を引き起こしかねないと民主党の議員たちは警告した。

トランプ氏を弁護する側は金曜日に上院で、襲撃が酷いものだったことが真実であるのと同様にトランプ前大統領によるものではなかったことが真実であることは明白だと主張した。審理は弾劾の陪審員となっている上院議員たちによる投票によって今週末に決着する可能性がある。

勢力が拮抗している上院で3分の2以上が有罪と判断することが必要な弾劾の成立には望み薄の民主党員たちは、アメリカ国民にその主張を全力を尽くして訴えかけている。他方、トランプ氏を弁護する側と共和党員たちは感情に訴えかけることも歴史的解釈に拘泥することもなく法的案件として処理することに集中し、なるべく早期の終結を目指している。議事堂での混乱とその余波での死者は5人に上り、これは米国史上比類の無い国内での政治的襲撃事件となった。

暴動の扇動によるトランプ氏の2回目の弾劾訴追は、昨年のウクライナ問題についての弾劾とそれに続く無罪判決と呼応している点がある。すなわち、弾劾されない限りトランプ氏の影響力は制限困難であり、その結果、社会秩序が危険にさらされ続けるという警告を検察官側が上院議員たちに対して行っているという構図を有している点である。ホワイトハウスを出たにも関わらず、前大統領は多数の有権者に影響力を依然持ち続けているのだ。

検察官役の民主党下院議員たちは、木曜日、バージニア州シャーロッツビルで2017年に白人至上主義者の集会への抗議において起きた事件後の、「両勢力」を称揚した、暴力の容認さらには暴力を称賛したトランプ氏の度重なるコメントと、集会の聴衆に対して議事堂に向かい自身の大統領職のために戦うよう促した同氏の先月の呼びかけの類似性を指摘した。トランプ氏は選挙が不正であったという誤った主張を広め、自らの支持者たちに対して、大統領職を「盗ませない」戦いを行うように扇動したというのである。

議事堂襲撃当日に暴徒たち自身が撮影したビデオを用いて、検察官役の民主党下院議員たちは、トランプ氏にすべての責任を帰した。議事堂の侵入者の一人は、「自分たちはここに招待されているのだ」と述べた。「トランプ氏が我々をここに送り込んだのだ」と別の侵入者が言った。「トランプ氏は嬉しいはずだ。私たちが彼のために戦っているのだから」。

「暴徒たちは大統領の命令によって議事堂に侵入していると本当に信じ込んでいたのです」とコロラド州選出のダイアナ・デゲッティ民主党下院議員は言った。「大統領その人が議事堂に侵入するように言ったというわけです」。

ナンシー・ペロシ下院議長とマイク・ペンス副大統領を険悪な形相で探し回る暴徒たちの様子を含む、死者も発生した議事堂襲撃の1月6日水曜日の禍々しいセキュリティビデオを上院議員たちが確認した後、ホワイトハウスでは、バイデン大統領が「見解を変える議員も出てくるかもしれない」と述べた。

バイデン大統領は、前日の審理の生中継は視聴せず、その後のニュース報道を確認したと言った。

上院議員たちは不快なビデオが会議場で再生されている間動揺を隠し切れなかった。ビデオ記録には、暴徒たちが議事堂に突入し、警察側と格闘を繰り広げる様子が応援を求める警察官たちの音声と共に収められていた。暴徒たちは、「マイク・ペンスの首を吊るせ」と唱え、恐ろしげに叫び、「何処だい、ナンシー?」とペロシ議長を探しながら、大小の広間をうろついていた。

議事堂包囲のビデオは襲撃当日から出回っていたものの、編集されたビデオには、米国に最大級の不安をもたらした一日の様子が時系列的に再現されていたのだった。そして、それは同時に、暴徒たちが米国の政治的指導者たちにどの位危険なほど近付いていたのかを明示し、弾劾訴追の重心を憲法についての学術的な議論から襲撃事件の生々しい現実へと移動させた。

トランプ氏の弁護士であるデビッド・シェーン氏は、このビデオによる説明は「攻撃的」であり、民主党側は「ビデオの内容をトランプ氏とは如何様にも結び付けることが出来ていない」と反論した。

シェーン氏は、木曜日、議事堂で記者団に、民主党が国民にその日の悲劇を追体験させることで「米国民を分断」し米国の団結への取り組みを阻んでいるとしか考えられないと述べた。

そして、木曜日には、2日目の議論を終えた上院議員たちは若干疲労し、椅子に凭れ、腕を組み、ストレッチのために歩き回っていた。

オクラホマ州選出のジム・インハーフ共和党上院議員は休憩中に、「民主党側は話せば話すほど信憑性を失っていくように私には見受けられます」と言った。

議事堂包囲の一週間後に大統領職を退任したトランプ氏を弾劾する任を帯びた検察官役下院議員らによるの2日間の発表の目的は、同氏を無実の傍観者ではなく、何ヶ月もの間虚偽を拡散し、選挙に異議を申し立てるように支持者たちを駆り立てた「扇動の主導者」と位置付けることだった。

「このような襲撃はドナルド・トランプのためでなければ為されなかったでしょう」と弾劾を担当する下院議員の一人であるマデリーン・ディーン氏は感情を抑制しながら言った。「だから、暴徒たちはトランプの旗を纏ってやって来て、私たちの旗である米国旗を使って打ち壊し、屈服させようとしたのです」。

トランプ氏の弁護士たちは独自に暴徒たちの非難を開始する見込みである。

退任後に弾劾訴追を受ける最初の米国大統領であるトランプ氏は、弾劾訴追を2度受ける初めての大統領でもある。

既に大統領職を離れているのだから弾劾されることはあり得ないとトランプ氏の弁護士たちは言う。この論点は、火曜日の投票では上院で退けられ審理が進められることになった。しかし、依然として、トランプ氏の行動を容認していると受け取られることなく同氏を無罪としたがっている共和党上院議員たちの思惑とこの論点は共鳴している。

6人の共和党議員が民主党議員と共に審理を開始することに賛成票を投じた。だが、反対44票に対する賛成56票は、弾劾を成立させる閾値となる、全票数の3分の2である67票にははるかに及んでいなかった。

AP

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