ジルベゴズ:トルコ高官とシリア反体制派の高官によると、2月6日の地震の被災地から避難した約4万のシリア人が、トルコから反体制派が支配するシリア北西部へ戻った。トルコが難民の行動制限を緩和してから2週間が経過している。
反体制派が支配するバブ・アル・ハワ国境検問所のマゼン・アルーシュ報道官がロイターに語ったところでは、バッシャール・アサド大統領に反旗を翻しているシリアの武装勢力が掌握している4つの国境検問所において人の移動が記録されているという。
アルーシュ氏が示したデータによると、27日時点で1万3500人ほどがバブ・アル・ハワを通過し、1万近くがジャラーブルス検問所を、7000人ほどがバブ・アル・サラームとタル・アビアドの検問所をそれぞれ通過している。
トルコ国防省の職員は、2月27日時点でシリアの帰国者が4万に達したと発表した。帰国は続いており、その数は毎日増加しているという。
昨年4月、イド・アル・フィトルの休日の直前にトルコがシリア人に制限を課した。帰国を促すために、一時的な保護を与えながら母国との往復を禁じたのだ。
トルコには約350万人のシリア難民がおり、近年は反難民感情が高まっていた
地震後、トルコ当局は帰国の資格を有したまま北西部に6か月間とどまることを許可し、シリア人はその恩恵に浴してきた。
国連によると、地震ではトルコで4万4000人以上が亡くなった一方で、シリアでは約6000人の犠牲者が出たが、その大部分は反体制派が支配する北西部だった。地震後、親戚の安否確認のために多数が帰国しているという。
トルコでの住居や職場が地震で破壊され、多くの人が親戚とともに移動しているのだ。
最も大きな被害が出た地域の1つであるカフラマンマラシュに住んでいたシリア人のカーリド・アル・アーメッドさん(50代半ば)は「家族に会い、この難しい状況から抜け出したいと思っています」 と語った。
彼は10人の子供とともに2月最後の週末、バブ・アル・ハワのトルコ側を通過しようとしていた。8年前に難民としてシリアを出国して以来、初めての帰国だ。住まいは深刻な被害を受け、職場の機能も停止したという。
「人々は行き先もわからないまま移動しています。とにかく今はここから脱出したいのです」。アーメッドさんはそう語り、1~2か月でトルコに戻りたいと付け加えた。
国連によると、シリア北西部には4万人程度が住んでおり、その大部分は地震前から援助に依存していた。
ロイター