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日本人ノーベル賞受賞者「アラブ人を近代科学のパイオニアとして尊敬する

10 Oct 2019
Updated 12 Oct 2019
10 Oct 2019
オマーンのマスカットにあるthe German University of Technology (GUtech)で公演中の天野浩教授

日本人ノーベル賞受賞者である天野浩教授によれば、中世のアラブ世界における科学が今日に至る科学発展の基礎を築いたことは、世界中の人々に認識されているという。

「その意味において、私はアラブの人々を近代科学のパイオニアとして尊敬しています。」先日行われたオマーンのマスカットにあるthe German University of Technology (GUtech)での一般公演の前日に、Arab Newsの記者の質問に対し天野教授は以上のように述べた。

2014年のノーベル物理学賞受賞者による講義は「ゼロエミッション社会に向かって」と題された。

「私の考えでは、中世アラブの人々が科学に長じていた理由の一つは、国境を越えた人と物の交流が盛んに行われていたことです。」

「それと同じように、研究者間の良好な関係を、国内に限らず世界規模で築いていくことがとても重要です。」

「若きアラブの研究者たちに一言贈りたいと思います。『必要は発明の母である。夢を持ち、それを実現するよう努めてください。』」と天野教授は語った。

2014年、天野教授は彼の同僚である赤﨑勇教授、中村修二教授と共にノーベル賞を受賞した。

この三人の科学者は、高輝度で省電力の白色光源を実現可能にした青色発光ダイオードの発明によって同賞を受賞した。

ノーベル賞受賞後の人生

天野教授は、ノーベル賞受賞後も、追い求めているものはそれ以前と何も変わっていないという。

「2014年にノーベル賞を受賞した以前も以後も、研究者としての私の目的は基本的に何も変わっていません。私の研究が目的としているのは人類の富と福祉に貢献することです。」

しかし、彼はノーベル賞受賞以降で変わったものがあることも認めている。「社会における私の影響力は増したように思われます。私がノーベル賞受賞者になって、たくさんの優れた研究者たちが私たちの研究グループに加わることを望むようになりました。」と天野教授は述べた。

天野教授は、他の研究者たちを促し、共同して目的達成のため励むことも同じように重要だと考えている。

しかし、彼の研究は持続可能なエネルギーを生み出すことと、環境一般に対してどのような貢献を果たしたのだろうか。天野教授は青色発光ダイオードに用いられる半導体の一つであり、それを用いて高周波トランジスタが作られる窒化ガリウム(GaN)の研究について説明した。

「なぜ青色LEDがそう重要なのかということですが、それは青色LEDのみが白色LEDを作り出すことができ、LED照明を従来の電灯と入れ替えることで日本の電力消費をおよそ7パーセント削減できるということに由ります。」

また、窒化ガリウム(GaN)をベースにしたパワートランジスタを代わりに用いれば、従来のシリコンベースのものに比べておよそ 10パーセントのエネルギーを節約することができると彼は語った。

天野教授は工学博士号を所持しており、名古屋を基盤とする未来材料・システム研究所(MaSS)の未来エレクトロニクス集積研究センター(URFE)長として務めている。

また、彼は名古屋大学赤崎記念研究センター長でもある。

「エネルギーのインターネット」

天野教授は、将来的には無線での送電が一般的な電力供給網となることを信じている。

「この無線での送電が、再生可能エネルギーを基礎にしたシステムを作り上げるのに必要不可欠なのです。私たちはそのシステムを『エネルギーのインターネット』と呼んでいます。そのシステムでは、私たちはいつでも、どこにいても電力を受け取ることができます。」と彼は語った。

日本の科学研究が常に最先端であることの理由を問われ、天野教授は日本人は大概自国の現状についてあまりポジティブでない、ということを挙げた。

「彼らは国内での科学分野における業績が衰退するのを恐れています。これまでは人口の多さと安定した政治、経済の繁栄のおかげで日本の科学は発展することができました。」

日本の高等教育が継続的に問題に直面しているにも関わらず、特に初等教育と中等教育において良質な教育システムが機能していることが科学分野で高い質が保たれている理由だろう、と彼は語った。

ゼロエミッション社会

GUtechでの講義中、天野教授は石油ベースの経済から太陽光といった再生可能エネルギーへエネルギーシフトし、CO2排出量を80パーセント削減することを呼びかけた。彼はそれによって更なる世界的温暖化を防ぐことができるだろうと述べた。

天野教授と彼の研究チームは現在、ゼロエミッション社会を発展させていくための技術革新を求める長期に渡る学際的なプロジェクトを進めており、「移動可能な洋上太陽光発電所」を共同で開発した。

「未来の無線送電ネットワーク」は、エコリサーチシステムが提示する未来社会のエネルギー問題に対する持続可能でスマートな解決法を発展させていくための、技術革新のためのオープンなプラットフォームである。

実例として、LEDライトを用いることで日本は年間の電力消費量を7パーセント削減した。名古屋大学の代表者と前任のオマーン日本大使森元誠二氏が天野教授に随伴した。

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