
クラブが事前に伝えていた「重要な記者会見」は、ふたを開けてみれば神戸のみならず世界中のファンを安心させた。引退の臆測も飛んだ中、さらに2年間、神戸に残ることを決めたイニエスタは「3年前ここに来た時に感じた熱い思い、その同じ思いで挑戦をし続けたい」と誓った。
「挑戦」とは「アジアナンバーワン」の目標を指す。神戸は、親会社の楽天がスポンサー契約を結ぶ名門バルセロナと連携してクラブを構築中。昨季、ACL初出場で4強入りしたが、まだ道半ば。バルサの哲学を知る名手は「さらなる高みへ連れて行くための貢献をできる限りしたい」と意欲を示した。
「経済面でかなり歩み寄りをしてもらった」とは三木谷会長。破格の年俸約33億円から減額があったもようだが、それでもJリーグでのプレーを選択したのは、イニエスタの強い意志の表れだろう。3年生活した日本に愛着も生まれ「第二の故郷になった」とも言った。
37歳になったが、大けがからの復帰後も衰えは見られない。「皆さんに語り継いでもらえるような、そんなピッチでの表現ができればと思う」。キャリア最終章に入っても、熱意は冷めない。