


シャムス・エル・ムタワリ
ドバイ: サラ・アル・コーリ氏が2018年にオープンしたアブダビに拠点を置くカフェ、フレイズボンボンは、幅広い日本の菓子パンやスイーツ、コーヒーお茶を扱っていることで人気を博している。
フレイズボンボンの名物は日本のパンケーキと、いろいろな味のクリームパンだ。惣菜系ではフュージョン料理弁当や日本のカレーパン、チーズ入りパン、またザータのようなアラブ系の素材を取り入れた総菜パンなどがある。
フレイズボンボンは常に新しい実験的な商品を生み出している。その一つが、ミニクロワッサンとクッキー、シナモンロールにベリーを混ぜたシリアルとして食べられる「Super Minis」セットだ。また、ローズとピスタチオを使ったものなど季節限定メニューも提供している。
ユニークな菓子パンやスイーツに加え、カフェは四種類のキャラクターをマスコットとして使用している。その一つが、カフェのパッケージに使われ、フードやドリンクでもフィーチャーされているピンクのクマだ。
「私たちが提供している菓子パンは、すべて日本の菓子パンです。小麦粉や牛乳、抹茶などの材料はすべて日本から輸入しています」と、オーナーのアル・コーリ氏は語る。
そもそもどうしてこのカフェを始めたのかを聞かれ、アル・コーリ氏は「とても若い頃から自分のカフェをオープンするのが夢だった」と、振り返る。大人になってエンジニアとして働き始めたが、最終的に夢を追うことにした。
2014年頃には、氏は自分のビジネスを始めることを決めており、その計画を手始めとしてアル・コーリ氏は「あちこちに旅をしてアイディアを集めようと思った」という。「かわいくて日本風の何かがいいというのはわかっていた」が、具体的なアイディアを組み立てるのには数年かかった。
「昔からよく家でパンやお菓子を焼いて、いろいろなことを試していた。たとえば、日本のシフォンケーキがつくってみたくて、レシピをたくさん集めたりした」。そして、「だんだん、自分のレシピをつくるようになった。すべては我が家のキッチンでの小さな実験の数々から始まったんです」と、アル・コーリ氏はアラブニュース日本版の独占取材に応じて語った。
日本の芸術と文化への憧れと感動も、オーナーに大きな影響を与えた。
「誰もが自由に着たいものを着て、自分を多種多様なやり方で自由に表現していると感じた」、それは「本当に素晴らしかった」と、アル・コーリ氏は日本旅行の体験について話す。
「日本から帰ってきて、私も自分を表現したいと感じた。アートを通して、またはカフェを通して」と、彼女は続けた。
そして、アル・コーリ氏はそれに成功した。その一つが、日本とアラブの要素の橋渡しをするやり方だ。フレイズボンボンでは、高まる需要に応え、アラビア語のオーダーメイドクッキーの注文も受け付けている。
より大きな視点でいえば、フレイズボンボンは日本の製品を提供するだけでなく、カフェで日本語を話す集まりも行っている。
売られている菓子パンは大部分が日本のものだが、フレイズボンボンという名前はフランス語で「ストロベリーキャンディー」を意味しており、大人気の日本のスイーツに加え、フランスの菓子パンも提供するフュージョンのパン屋であることを示しているとアル・コーリ氏は語った。