
サレフ・ファリード
ジッダ:チェアアンパイア(主審)のジェシム・アカカー氏は今月、東京オリンピックにおいてさまざまなテニス種目の計15試合で審判を務める最初のサウジアラビア人となり、歴史を築いた。
「1896年にアテネで大会が始まって以来初のサウジアラビア人テニス審判となることを光栄に思います」とアカカー氏はアラブニュースに語った。
アカカー氏のハイライトは、第4シードのアレクサンダー・ズべレフ選手が世界ランク1位でトップシードのノバク・ジョコビッチ選手を下した男子準決勝と、クロアチアのニコラ・メクティッチ選手とマテ・パビッチ選手が金メダルを勝ち取った男子ダブルス決勝で主審を務めたことなどだ。
アカカー氏は、2020大会に選ばれて夢が現実になったと述べている。
彼は東京から戻った後、地元カティーフでアラブニュースに対し、アンパイアチームへの選出は他のイベントでの経験や長年の実績などを含む特別な基準のもとで行われた、と語った。
「2019年に東京オリンピックの公式アンパイアへの招集を受け、本当に嬉しく思いましたが、昨年のパンデミックにより、日本に向かってサウジアラビアを代表するための準備がすっかり整った時に大会が延期となりました」と彼は述べた。
アカカー氏の妻は、招集を受けた時に彼が選出されたことを真っ先に知った1人だが、彼によると、大喜びして彼の達成を誇りとしたそうだ。
「サウジアラビアの審判員としてオリンピックに参加できる貴重な機会なので、私はこの任命を名誉に思いました」と彼は語った。
サウジアラビアテニス連盟(STF)のアリジ・ムタバガニ会長はアカカー氏の功績を称えるとともに、同連盟がスポーツ大臣のアブドルアジーズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子の指導のもと、サルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子の全面的な支援を受けて、選手と審判員の長期的な育成プログラムを実施していることを強調した。
「今回の任命は、アカカー氏の世界最高の審判となるための献身と努力、そしてこれまでの国際大会での実績が評価されたものです。我々は彼を非常に誇りに思っていますし、この最も名高い大会にサウジアラビア人の審判が参加することはとても名誉なことです」とムタバガニ会長はアラブニュースに語った。
パンデミックによって東京2020大会の開催が危ぶまれた時期にも、39歳のアカカー氏はキャリアの最高峰に向けて精神的、肉体的な準備を続けた。
アカカー氏の旅は彼がテニスプレイヤーとしてのスタートを切った7歳の時に始まった。21歳までプレイを続け、それからコーチとマネージメントに挑戦した。彼は2005年、23歳の時に審判としてのキャリアをスタートした。
彼には注目される国際試合での経験もあり、全豪オープンで審判を務め、ウィンブルドンで4年続けてアンパイアを務めた最初のサウジアラビア人となっている。
「私はバーレーン、ドバイ、カタール、クウェート、日本でたくさんのローカルトーナメントや地域トーナメントに参加してきましたが、ウィンブルドンと全豪オープントーナメントへの参加は私にとって最大の達成でした」と彼は述べている。
アカカー氏は、家族、サウジアラビアテニス連盟、スポーツ省、サウジアラビアオリンピック委員会、そして一般市民からの支援と賞賛への感謝を語った。
「私のプロとしてのキャリアを支えてくれた全ての人々にお礼を伝えたいです。そして、スポーツにおけるあらゆるレベルの功績に関心を寄せてくれるアラブニュースに感謝しています」