


ダイアナ・ファラー
ドバイ:日本政府観光局(JNTO)は、ドバイに事務所を正式に設立した。この事務所では、中東からの旅行者が日本を訪れる主な理由として、くつろぎ、自然、安全に焦点を当てている。
アラブニュース・ジャパンの取材に応じたJNTOの清野 智(せいの さとし)理事長は、中東地域初の事務所はドバイに開設することが最も理にかなっていると語る。
「アラブ諸国からの観光を促進したいと考えていたところ、ドバイが国際的な文化とビジネスの拠点であることがわかりました」と清野氏はいう。「2019年にオフィスを開設するためのプロセスを開始し、その準備は菊池 朋子(きくち ともこ)所長が中心となって進めました」
JNTO理事長は、日本を京都や東京以上にアピールしたい、日本のあまり知られていない部分に光を当てたいと語っている。
「例えば、自然の中での冒険やアクティビティなどをアピールしていきたいと考えています。北海道には、ウォーキングやトレッキングに最適な自然があります」と説明してくれた。
清野氏によると、JNTOの調査では、中東の人々は日本についての情報が少なく、遠い国だと思っていることがわかったという。同観光局としてはできるだけ多くの情報を提供して、彼らが日本への旅行をより強く、身近なものに感じられるようにすることが当面の目標である。
2014年から2019年にかけて、湾岸協力会議(GCC)加盟諸国からの日本への訪問者数は倍増し、2019年には約3万人に達した。2019年、日本は過去最高の3,200万人の訪問者を世界から迎え、2030年にはインバウンド消費年15兆円を伴う6,000万人の訪問者を集めることを目指している。この目標を達成するためには、中東は重要な市場であり、JNTOドバイ事務所の開設は、この地域からのより多くの訪問者を惹きつけるための取り組みに大きな役割を果たしている。
また同観光局は将来的には、日本に関心を持つ人々により多くの関連情報を提供できるようなセミナーやプレゼンテーションの開催を計画している。
「さらに、ソーシャルメディアを活用し、地域の人々と日本との関係を強化していきたいと考えています」
2022年には、UAEと日本は外交関係樹立50周年を迎える。その記念すべき年を前に、JNTOドバイ事務所を立ち上げることができて光栄だと清野氏は語る。
そしてアラブニュース・ジャパンに対し「このようなときに中東に開所できることは、とても素晴らしい機会であり、光栄なことです」と語った。
今後、JNTOドバイ事務所は、中東の他の国もターゲットにしていく予定であるが、中東の他の地域に当面進出する予定はない。
JNTOは、日本の認知度向上の必要性から、主に訪日外国人旅行者の関心事である「安全」、「世界水準のおもてなしとグルメ体験によるくつろぎ」、「四季折々の自然の美しさ」の3つの分野に焦点を当てている。
「日本は四季に恵まれており、それぞれの季節に美食、自然、伝統などの楽しみがあります。四季は日本文化の中心であり、私たちは一年の異なる時期に訪れる人々にとって、それぞれの異なる魅力を強調するとともに、日本が世界で最も安全な旅行先の一つであるという事実を強調したいと思います。私達が提案する日本での体験をすべて楽しんで頂くには、一度の訪問ではとても足りません」と菊池所長は語る。
また、ドバイ国際博覧会(Expo 2020 Dubai)では、12月11日の「ジャパン・ナショナル・デイ」において、日本の四季をテーマにしたイベントが開催される。このイベントでは、ダンス、音楽、体操、アクロバットなどのパフォーマンスを通じて、日本の伝統と現代文化の要素を組み合わせ、四季に焦点を当てる。
このイベントはJNTOが主催し、アルフォーサン・パークの円形劇場にて、14:30からと16:00からの2回にわたって行われる。