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警察庁、安倍元首相の警備不備について検証開始 国民が元首相の死を悼む中

安倍晋三元首相が射殺された現場近くの歩道を調査する警察官=2022年7月13日、西日本・奈良県(File phoyo/Kyodo News via AP)
安倍晋三元首相が射殺された現場近くの歩道を調査する警察官=2022年7月13日、西日本・奈良県(File phoyo/Kyodo News via AP)
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16 Jul 2022 06:07:51 GMT9
16 Jul 2022 06:07:51 GMT9

警察庁は、安倍晋三元首相が1週間前に襲撃された原因とされている警備の不備について、奈良県で検証を開始した。奈良県では、人々が花束を抱えて訪れ、実力者であると同時に賛否の激しく分かれる元首相に祈りを捧げた。

金曜日、花束を携えた弔問客らが長い列を作り、奈良市内の駅前に設けられた献花台に花を供え、祈りを捧げた。山上容疑者が元首相を射殺した時刻の前後にあたる昼近くに、黙祷が行われる場面も見られた。元首相は歴代最長の在任期間を達成する一方で、安全保障と戦時中の歴史認識に対する超保守的なスタンスをめぐっては国内外で見方が分かれていた。

岸田文雄首相が安倍元首相の死について「警備体制に問題があった」と非難した翌日の金曜日に、警察庁の捜査員チームは銃撃現場の視察を行った。
銃撃を捉えた写真や動画では、容疑者は、警備員が正面を向いている中、安倍元首相に背後から接近した。

奈良県警の鬼塚友章本部長も金曜日に元首相に祈りを捧げた後に、付近の建物の壁を貫通した数発の銃弾を調べた。当局によれば、銃弾は元首相やその周辺の人々からわずかに外れたものだという。鬼塚本部長は、銃撃時の警備上の問題は「否定できない」と述べた。

銃撃犯とされる山上徹也容疑者(41)は銃撃直後に逮捕され、最長3週間に及ぶ取り調べのため勾留されている。検察は容疑を殺人に切り替えるかについて検討している。

警察当局によると、山上容疑者は、「特定の宗教団体」(報道では統一教会とされている)との関係が噂されていたため、元首相を殺害したと捜査当局に語ったという。容疑者は、母親が団体に約1億円(720,500ドル)を寄付し、一家の破産を招いたことに悩まされたと伝えられている。

元外交官で国会議員の達増拓也岩手県知事は、金曜日に記者団に対し、統一教会と与党・自民党の関係を調査する必要があると述べた。統一教会は、選挙や国の政策に影響を与えるために多額の寄付を集めることで知られている。

山上容疑者の苦悩に満ちた過去と、襲撃に至るまでの準備に関する更なる詳細が明らかになった。
金曜日に国内メディアによれば、山上容疑者の伯父(匿名)は、容疑者の母親について夫の死から数年後の1991年に統一教会に入信したと述べている。母親が2002年に破産を申請し、経済的に困窮した兄妹を助けるために、山上容疑者は、死亡保険金を得るために自殺を試みたと、伯父は話した。また、山上容疑者の母親は、息子の犯罪容疑に深くショックを受けているという。

警察当局によれば、2002年から2005年まで自衛隊員に所属していた山上容疑者は銃撃の前に、奈良県の山中で複数の標的を用いて銃を試し撃ちしており、その効果を確かめたという。

山中で捜査員チームは、弾痕のあるコンクリートブロック、木製パネル、金属製コンテナを発見し、また、周辺には弾丸とみられるものが散乱しているのを確認したという。

また、警察当局は、容疑者が銃撃の前日、別の都市で開かれた安倍元首相の演説会場の付近でも目撃されたという。同日のそれ以前に、容疑者は統一教会に関連する建物に向けて銃を試射している。

朝日新聞が金曜日に報じたところによると、山上容疑者は2019年に中部地方を訪れた教会の総裁・韓鶴子氏への火炎瓶攻撃を企てていたが、大集会の会場に入ることに失敗したという。また、容疑者は、パンデミックを受けた入国規制が設けられて以来、韓国人である韓氏の来日は困難と考え、標的を安倍首相に変更したと報じている。

今回の参議院選挙では、安倍元首相への同情票も手伝って、安倍政権与党とその連立政権におけるジュニアパートナーの公明党が圧勝を収めた。

火曜日には都内の寺院で小規模の葬儀が行われた。岸田氏は木曜日、安倍元首相の国葬を秋に行う予定を発表した。

日本共産党の志位和夫委員長は金曜日、声明で「国葬は、国民の間で現に評価が大きく分かれている安倍氏の政治的見解を政府が全面的に支持することを意味し、彼の政治を称賛し美化することになる」と述べ、この計画に反対した。

毀誉褒貶の激しい元首相の国葬の費用を税金で賄うことは、他の野党指導者の間でも賛否が分かれている。

AP

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