
ザイード・カショギ
リヤド:: 金曜に北京オリンピック2022の開会式において湾岸諸国で唯一冬季オリンピックに選手を派遣するサウジアラビアの国旗が高々と掲げられることは、同国にとって非常に画期的な出来事となる。
「私たちは参加できることを大変嬉しく、そして誇らしく思っています。GCC加盟国として史上初めて冬季オリンピックへの参加資格を得ることができたのです」と2021年にスポーツ庁の後援により発足したサウジ冬季スポーツ連盟(SWSF)のラバブ・マハッセン副会長は述べた。「明日サウジアラビアの国旗が北京オリンピック開会式の行進で掲げられます。それ自体が王国にとっての大きな勝利です」
「私たちは最も有望で熟達したアスリートたちを選抜し、それから彼らのために完璧なプログラムを作り上げました」とマハッセン氏はアラブニュースに語った。
昨年10月、ファイク・アブディ選手はジュネーブで行われた国際連盟のスイス予選で最多ポイントを獲得し、SWSFによりオリンピックの出場候補選手に選ばれた。
アブディ選手はサウジアラビア唯一の冬季オリンピック参加者としてアルペンスキーのジャイアントスラローム種目に出場予定。サウジアラビア人スキーヤーであるアブディ選手は歴史に刻まれる2月13日の大会出場に向けて、木曜に中国の首都に到着した。
その他にサルマン・アルホワイシュ選手とラカン・アリレザ選手の2名のサウジアラビア人スキーヤーが北京大会に出場するのに必要な予選ポイントを獲得していたが、サウジアラビアに割り当てられた今大会の出場枠は1つだけだった。
2021年5月にSWSFは国の代表として大会に出場できる真剣なサウジアラビア人スキーヤーとスノーボーダーを探す全国的なキャンペーンを始動し、多くの反響を得たとマハッセン氏は言う。
サウジアラビアの人々のさまざまなアルペン競技における習熟度に感銘を受けた連盟は、既にクラブやコーチのもとでトレーニングを積み、運動能力、才能、スピード、パワー、限界を越えたいという意欲をそなえた選手に絞って人材を探すことにした。
自身も生涯にわたってスキーを続けてきたマハッセン氏は、SWSFのアフマド・アル・タッバー会長と戦略、開発、コミュニケーションの面で緊密に協力し、サウジ選手のためのプログラムを作り上げた。
「私たちはヨーロッパにいる選手たちのために、International Racersという国際企業と顧問委員会の協力を得て特別なトレーニングプログラムを作り出しました」とマハッセン氏は言う。「選手たちを大変誇りに思います。これはまだ始まりにすぎず、2026年までには20人から30人の選手が世界の舞台で競えるよう計画しています」
連盟にとっての大きな課題の1つは、天然もしくは人工の適した地形を探すことだった。ウインタースポーツの伝統がない国であるため、SWSFは選手たちをオーストリア、イタリア、スイス、フランスへと合宿に送り出し、最高のコンディションでオリンピックを迎えられるようにした。
「私たちは雪を追い求めました」とマハッセン氏は述べた。
SWSFの傘下には17の競技がある。今年はスキーのような雪上競技に注力するほうがプログラムを迅速に組み立てるために理にかなっていたと、マハッセン氏はアラブニュースに語った。
連盟はウインタースポーツ選手がフランスでトレーニングを積んで競技スキルを伸ばすための奨学金プログラムも立ち上げた。
連盟は今後、各競技でさらなる高みを目指すサウジアラビアの若手選手を応援するためのプログラムをもっと立ち上げる予定だと、マハッセン副会長は言う。また、公的投資基金(PIF)が支援するSevenという企業がジェッダ、ダンマン、リヤドに大規模な屋内スキーリゾートをオープンする予定だ。