
アンカラ:20人を超すパレスチナ人のがん患者が、治療を受けるためにガザからエジプトに入り、16日深夜にトルコに到着したとトルコのアナドル通信社が報じた。
患者(その多くは子供)を乗せた2機の飛行機が、現地時間の午前0:30(GMT 21:30)過ぎにアンカラ空港に到着した。
トルコは、イスラエルがハマスの掃討作戦を展開しているガザ地区から避難できた民間人を治療するため、野戦病院の資材、救急車や発電機などを積み込んだ船をエジプトに派遣している。
10月7日にハマスが奇襲攻撃を行い、約1,200人(主に民間人)を殺害し、240人を人質としてガザに連れ去ったことを受けて、イスラエルはハマスを壊滅させると宣言した。
ハマスが実効支配するガザ地区の保健省によれば、イスラエルがその後に行った空爆や地上侵攻により、これまでに11,500人が死亡。その多くは民間人で、数千人の子供も含まれているという。
トルコのファーレッティン・コカ保健相は、27人の患者が13人の同伴者とともにエジプトからトルコに空路で向かったと話したが、同伴者が医師か家族かは明らかにしなかった。
がん患者らは、ラファ国境検問所を通ってガザからエジプトに入国することができたという。
コカ保健相は、ガザ地区に人道支援を届けるための協議でエジプトを訪れており、トルコに患者を移送することができたのは、「トルコ、エジプト、イスラエル間の調整」によるものだと語った。
そして、トルコはラファ検問所に最初の野戦病院を開設するために、エジプトから許可が下りるのを待っている状況だと述べた。
同保健相は、「近い将来、現に私たちの取り組みはこの方向で進んでいますが、ガザのラファ検問所に近い場所で野戦病院を建設できることを願っています」と話す。
国民の多くはイスラム教徒だが、公式には世俗国家であるトルコは、パレスチナの大義を長らく支持してきた。そして最近では、軍事作戦で民間人の犠牲者が急増しているとして、イスラエルに対する口撃も強めている。
レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は15日、自身が所属するイスラム系与党の党員に向けて演説を行い、イスラエルは「大量虐殺」を行っている「テロ国家」だと名指しで非難した。
AFP