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サウジアラビのファラサン島が年に1度の漁期を祝う

ジーザーンのクンナの季節には、キングフィッシュやパロットフィッシュ(ロングノーズブダイ)などのさまざまな魚が豊富に見られる。(提供写真)
ジーザーンのクンナの季節には、キングフィッシュやパロットフィッシュ(ロングノーズブダイ)などのさまざまな魚が豊富に見られる。(提供写真)
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04 May 2022 07:05:52 GMT9
04 May 2022 07:05:52 GMT9
  • クンナと呼ばれる賑やかな漁期は6月末まで続く

ナダ・ハミード

ジェッダ:毎年この時期、ジーザーン地方、特にファラサン島の漁師たちは、キングフィッシュを表すアラビア語「カナアド」に由来する「クンナ」という名前の、お祭りのように賑やかな漁期を迎える準備をする。

クンナの季節は夏の始まりを意味し、6月下旬まで続く。

この季節には、キングフィッシュやパロットフィッシュ(ロングノーズブダイ)など、さまざまな種類の魚が豊富に見られる。

ファラサン島はサウジアラビアの最南西部ジーザーンの沖合50kmに位置する、紅海で最も大きな島の1つである。

この地域の漁期は、紅海に広がる領海全域で異なっているが、その漁獲量は、紅海全体の約35%、王国全体の約20%を占めている。

ファラサンで最も経験豊富な漁師の一人、マダニ・フナイシ氏によれば、人々がクンナの季節とキングフィッシュを結びつけている理由は、この魚が、卵を産んで繁殖サイクルを始めるための年に1度の回遊シーズン中に、ジーザーンの北側の紅海から南のエリアへと移動する途中、島を通過するからだという。

キングフィッシュ漁にはたいてい大きな網が使われる。しかし、ジーザーンでは特別な漁のやり方がある。夜になってから漁に出ることで、魚が照明に引き寄せられるのだ。

この魚はジーザーンの漁師によって大量に捕獲され、ジェッダやリヤドなど、大きなサイズのこの魚に対する需要が高い王国国内に流通される。

「中央魚市場で大きなサイズのキングフィッシュの競りが始まり、600から1,500サウジリヤル(150から400ドル)の値段で売られます」と、フナイシ氏はアラブニュースに話した。

クンナの季節は、ブダイの季節としても知られる。その恵みにあずかるため、ジーザーンの人々は毎年、歌や太鼓、踊りなどでこの季節を迎える。

ジーザーン固有の現象として、ロングノーズブダイが群れをなして1,000匹を超える巨大なボール状になり、同時に泳ぐ。

ブダイ漁を祝うためこの地域で開催されるブダイ漁祭りは、今年で18回目を迎えた。

この種類の魚の特徴は、鮮やかな色とさまざまな大きさだ。成長するにつれて色が変わり、オスとメスでは色が異なる。サンゴ礁から餌を削り取るための歯が、オウムのようだと考えられている。

国立野生生物センターがツイートした画像は、このサンゴ礁の魚のグループが、西インド洋、紅海、およびモザンビーク、マダガスカル、セイシェル、スリランカ、モルディブ近海などの熱帯海域の沿岸部に生息していることを示している。

ジーザーンの人々は、この年に1度の現象を何世代にもわたって熟知しており、その知識からブダイ祭りが生まれた。

ジーザーン州知事のムハンマド・ビン・ナーセル王子は、今年の祭りの開幕式で、この時期にファラサン諸島に現れるロングノーズブダイの現象について研究が行われていると述べた。

また、この研究によって、ロングノーズブダイがどこからどこまで移動しているのか、その回遊方法が明らかになるだろうと述べ、予備的な情報はあるものの、この現象に関するより詳細な研究の実施が望まれていると付け加えた。

祭りの期間中は、集まった多くの漁船が夜の海をライトアップするため、ジーザーンはまるで水上に浮かぶ都市のようになる。この活動やイベントを見ようと、ジーザーンや王国以外の場所からも観光客が訪れる。

ジーザーン地方は1年のうち何度も漁期があるため、年間約11,000トンの魚が水揚げされる。沿岸では3,200人以上の漁師が働き、17の漁港から恩恵を受けている。

彼らは漁期の間、1,657隻の船で毎日出漁し、漁業への投資と漁師という職業の維持に貢献している。

海洋環境を汚染から守り、地域の水産資源を保護するため、漁業研究センターは現地視察を通じてこの産業を監督しながら、漁を管理・規制して、制度を犯す者たちの違法行為を止めている。

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