
コロナ禍による巣ごもり需要などで、売れ行き好調な冷凍食品。魚介類の冷凍品も多く流通する中、にぎりずしの冷凍技術が飛躍的に向上し、ネタはもちろん、酢飯の「シャリ」も握りたてのような食感で話題となっている。
東京を中心に鮮魚専門店を展開する東信水産(織茂信尋社長)は昨年から、マグロやアジ、エビなどの冷凍ずしセットをインターネットで販売している。
通常の冷凍では、特にシャリの質が維持しにくいが、同社は凍結機器を製造する「テクニカン」(横浜市)が開発したアルコールなどの液体による急速凍結機を使用。解凍しても「シャリはしっとり、青魚の新鮮さも保っておいしい」と好評だ。
シャリとネタは別々に真空パックされ、解凍の際はパックのままネタは20分ほど氷水に浸す。シャリは電子レンジで温め、ネタを乗せ形を整えて完成だ。今後は、旬のさまざまなネタをセットに加えていく予定で、冷凍ケースを設置して店頭での販売も検討している。
冷凍技術の向上については、東京・豊洲市場(江東区)の業者からも「多くの魚の旬の味をいつでも楽しんでもらえる」と、期待の声が上がっている。
時事通信