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日本の遠藤純選手、ピンクの髪と必殺の左足でワールドカップに挑む

エンジェル・シティーFCの遠藤純選手(真ん中)。(AP通信)
エンジェル・シティーFCの遠藤純選手(真ん中)。(AP通信)
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07 Jul 2023 02:07:44 GMT9
07 Jul 2023 02:07:44 GMT9

東京:遠藤純はすぐさま注目の的となった。

最初は日本人ウインガーである彼女のピンク色の髪、次にその素早い動き、機敏性、左足から繰り出す曲がるクロスが注目を集めた。彼女はこれらによって、カリフォルニアのクラブであるエンジェル・シティーFCのファンの心をしっかりと掴んだ。

ワールドカップのグループCにおける日本の初戦ザンビア戦で、彼女が同様の注目を受けることを期待しよう。ニュージーランドで試合が行われるこのグループには、スペインとコスタリカもいる。

「彼女はボールを持った時、何かを起こすという期待が膨らみます」と、日本の池田太コーチはAP通信に語った。「彼女は、米国のリーグで自分自身の成長を求めて新しいことに挑戦している選手です」

遠藤は2019年のワールドカップ日本代表チームでプレーしたが、チームはラウンド16で敗退し、2011年の女子ワールドカップで優勝、2015年に準優勝を果たした日本としては残念な結果となった。

AP通信のインタビューで、遠藤は2019年のチームにおける自分自身を「ルーキー」と称した。

「何分か出場しましたが、まったく思ったように活躍できませんでした」と、彼女は語った。「今回は、4年の間に積んだ経験をもっと示さなくてはならないと感じています。若い選手たちの手本になりたいと思っています」

遠藤は、エンジェル・シティーで2シーズンプレーして、フィールドの中でも外でも自分を表現することを学んだという。彼女は以前、新しくできた日本のWEリーグでプレーしていた。独創性よりも協調性が重視されることの多い日本では、抜きん出ることはより難しいと、彼女は語った。

彼女はおそらく、問題を端的に表す日本語のある言い回しに言及したのだろう。

「出る杭は打たれる」という諺だ。

「ロサンゼルスにやってきて、街を見たり、歩いたりし始めた時、他人に見られることなく、ありのままの自分でいる自由を感じました」と、遠藤は語る。「日本の社会は全体的にそういったものではありません。だからといって、私が異なる文化を持つ人々に敬意を払わないということではありまんが、私は自分自身を表現することが大好きです」

そのヘアスタイルと不屈のプレースタイルのおかげで、彼女はロサンゼルスで超有名選手になったが、これは自分が意図したことでも、予期したことでもないと、彼女はいう。髪型はむしろファッションの面での主張だというが、それがサッカー場でも注目されることになった。

「私は単純に、変化をもたらすことと楽しむことが好きなのです。ファッションとヘアスタイルにとても関心があります」と、23歳の遠藤は語る。「エンジェル・シティーにやってきた時、自分をエナジャイザー・バニーのような選手とは思っていませんでした。しかし今はよく、楽しそうにプレーしていると言われますし、私は楽しんでいます」

「日本でのプレーと比べて、より楽しんでいます。しかし、より成長すること、リーダーとしてチームメートをいかにサポートできるかを考えることに関する側面もあります」

遠藤は最初から活躍を見せた。ノースカロライナ・カレッジを相手に2-1で勝利を収めたエンジェル・シティーの最初の試合で、彼女は1アシスト、1ゴールを決めた。

左膝の怪我だけが問題だったが、それもほぼ完治しているという。

遠藤選手の子ども時代は激動に見舞われた。彼女は東北の福島県で育った。彼女がまだ子どもだった2011年に、マグニチュード9.0の地震と津波、そして3つの原子炉のメルトダウンにより、何千人もの命が失われた。

彼女たち家族は内陸部に住んでおり、影響はそこまで大きくなかったものの、彼女はインタビューの中で、1年間外に行かせてもらえなかったと語っている。2011年の決勝戦で2-2の同点の末、PK戦で日本が米国を下したのを、遠藤はテレビで観た。

今回の日本代表チームのうち、遠藤を含む十数名は、池田氏がU-20代表チームのコーチを務めた際に同氏のもとでプレーした。U-20日本代表は2018年に優勝し、2022年には準優勝を果たした。どちらも、決勝戦の対戦相手はスペインだった。

遠藤は、フィールド上で自分を表現することに対する自信の高まりについて繰り返し述べた。勝負に出ること、それが世界と張り合うため、日本の女子に必要なことだと、彼女は語る。日本選手はボールの扱いが上手いことで知られているが、彼女によれば、対戦相手に体格で劣ることが多くても、より攻撃的になることがチームには必要だという。

「個々の選手たちが、強さを身につけ、ゴールを決めることやルーズボールをものにすることに対するハングリー精神を高める必要があります」と、彼女は語った。「日本にはそれが少し欠けています」

「一般的な日本人に比べて、他国の選手たちは勝負に出て、そこで大活躍することが多いのです。挑戦すること、勝負に出ることを恐れません。日本にもそれが必要になります」

遠藤純選手が、そういったプレーを見せてくれることを期待しよう。

AP

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