


リヤド:ほとんどのティーンエイジャーは、学校でプレイするスポーツを選ぶ際には、大好きで情熱を傾けられる競技を選ぶ。一方で、スポーツを選ぶことは難しい決断となることもある。ラムヤ・アル・ナヒディ氏はバスケットボールを選んだが、最初からバスケットボールをプレイしたいと考えていたわけではなかった。異なる競技をいくつか試してみたところ、バスケットボールが最も響いたのだ。
「私は13歳のときからバスケットボールをプレイしています。バスケットボールはスピード、知性、そしてチームワークが重要になる、数少ない競技の1つです。これらの要素が組み合わさっている点が素晴らしいと思い、バスケットボールにとても惹かれていきました」と、アル・ナヒディ氏は言う。
「バスケットボールは単なる健康やスポーツマンシップなどの向上だけではなく、チームワークやコート上での意思決定という点でもとても価値深いです。バスケットボールは単なるスポーツをはるかに超えるものなのです」と、アル・ナヒディ氏は語る。
バスケットボールに10年超にわたって情熱を注いできたアル・ナヒディ氏は、サウジアラビア王国のバスケットボール史上初の国際審判員として認定された。FIBA、つまり国際バスケットボール連盟が実施しているバスケットボールの国際審判員試験に合格したのだ。
同じくサウジアラビア人のアフメド・ハサン・アル・ハミース氏、アブドゥラー・マルズーク・アル・フジャイリ氏、ラゼン・アフメド・アル・アウフィ氏の3人も、FIBAの筆記試験と実技試験に合格し、バスケットボールの国際審判員として認定された。
「バスケットボールの実技分野での準備や研修だけでなく、規則や法律についても多くの準備と研修を行う必要がありました」と、アル・ナヒディ氏は言う。
アル・ナヒディ氏はサウジアラビア初のバスケットボールの国際審判員として認定されたことを受けて、名誉を感じると同時に、非常に大きな責任も感じていると言う。
「子供の頃から10年以上にわたってプレイしてきたバスケットボールという素晴らしい競技の顔になるわけだから、自分という範疇を超えた意味があります。バスケットボールに対する愛情や情熱を代弁する人物になれたのです」と、アル・ナヒディ氏は語る。
「そして、そこには私の国や宗教、それに私が取り入れてきた多くの価値観が現れています」
バスケットボールをプレイする傍ら、アル・ナヒディ氏はダル・アル・ヘクマ大学で人事管理の学位を取得した。卒業後、アル・ナヒディ氏は5年間にわたり人事部門で働いた。その後、サウジアラビア人女性たち立ち上げた女性用衣料品ブランドであるBloomingの事業開発マネージャーとして、一家の事業に加わった。
アル・ナヒディ氏がサウジアラビア初のバスケットボールの国際審判員として認定されるまでには、サウジアラビアスポーツ連盟がサウジアラビアの女性審判員を力強くサポートし、国内外でサウジアラビア人女性を支援するために努力を行ってきた。
「何でも成し遂げられる時代が到来しました。特に、サウジアラビアのスポーツ業界においては、何でも成し遂げられる支援体制が充実しています」と、アル・ナヒディ氏は言う。
「女性アスリート、特に女子バスケットボールに注目が集まっているのがとても嬉しい」と、アル・ナヒディ氏は語る。「バスケットボールは女子スポーツの中でナンバーワンだと思います。他の競技と比べても、サウジアラビア人女性の間でとても注目されています」
女子スポーツが推進され、サッカーやバスケットボールなどのさまざまな競技で雇用機会が創出されてきたことで、サウジアラビア人女性もプロアマ問わず、スポーツで優れた成績を収められる環境が整備されてきた。
「私がバスケットボールをプレイし始めた頃、私たちは隠れてプレイしていたというわけではありませんが、当時は誰も私たちの存在を知りませんでした。しかし、今は注目され、支援体制もあり、サウジアラビア人女性をトレーニングするためのバスケットボールコーチがたくさんいます」と、アル・ナヒディ氏は語る。
「今こそ変革の時です。サポート体制が整っています。自分自身を信じ、目標に向かって一生懸命努力すれば、夢は叶うのです」
アル・ナヒディ氏は、何かを達成するには、まず自分を信じることが最も重要であり、その次に重要なのは自分をサポートしてくれる人を身の回りに置いて助けてもらうことだと言う。
アル・ナヒディ氏がサウジアラビア初のバスケットボールの国際審判員に認定されたというニュースを受けて、大きな歓迎の声が上がっている。
在米サウジアラビア大使館は、「 @FIBA がラムヤ・ファウジ・アル・ナヒディ氏を、サウジアラビアのバスケットボール史上初の国際審判員として認定した。これは @sbfksa がサウジアラビア人の女性審判員を力強くサポートし、国内外で支援してきた努力の結果だ」とツイートした。
サッカーにおけるサウジアラビア初の女性国際審判員は、アヌード・アル・アスマリ氏だ。アル・アスマリ氏は2023年1月に、FIFAから国際審判員のバッジを授与された。サウジアラビアのサッカー女子代表チームがデビューしてから1年も経たないタイミングでの快挙だった。