アブダビ:2023年9月2日土曜、スルタン・アルネヤディ氏はガーディアン紙の取材に対し、アラブ世界には「宇宙についてもっと知りたいと熱望する」若い観衆がいる、そして「興味が湧くような方法で知識を伝えることが私たち宇宙飛行士の責任だ」と語った。
エミレーツ通信社が引用したところによると、ガーディアン紙のインタビューでアルネヤディ氏(42歳)は、アラブ世界には宇宙についてもっと知りたいという欲求があり「人々、特に若い人たちに(宇宙についての)知見をわかりやすい方法で届ける義務がある。彼らにとっての情報源、インスピレーションの源になりたい。これはとても大きな責任だ」と語った。
ガーディアン紙は次のように記した: 「エジプトのアイコン、故ウンム・クルスーム氏の深みがあり魂を揺さぶる歌は、アラブの地ではタクシーや喫茶店などで数え切れないほど繰り返し流されてきた。そして今、UAEの先駆的な宇宙飛行士が彼の曲を好むことから、国際宇宙ステーションの無機質な白いホールではウンム・クルスーム氏の歌が流れている。」
アルネヤディ氏は、ミッション中にアラブ文化を宇宙に持っていきたいと考えていたという。「誰もが私たちを見ている。皆、宇宙に興奮している。多くの同僚たちが『国際宇宙ステーションで様々な言語を聞くことはとても素敵なことだ』と言っていた」と同紙に語った。
ガーディアン紙は宇宙を旅した数百人のうち半数以上がアメリカ人であり、何十年もの間、宇宙へ行くことはNASAで訓練を受けた宇宙飛行士か、ロシアの宇宙飛行士によって独占されてきた事実を取り上げた。
「これまで、宇宙にいったアラブ人はたった6人。彼らはアラビア語で星を意味する『ナジュム(najm)』から『ナジュマノーツ(najmanauts)』と呼ばれている。」
同紙によれば、アルネヤディ氏は「定期的にソーシャルメディアにアラビア語で宇宙ステーションでの生活について動画を投稿し、真空パックの宇宙食を食べたり、自ら抵抗力を加えるウェイトリフティングの器具を用いて無重力環境において健康を維持する様子など、普段とは違う日常生活の様子を紹介した」という。
2023年9月2日土曜に掲載された同紙の記事では、アルネヤディ氏が欧米ではしばしば否定的なステレオタイプで捉えられがちな、中東の都市や有名な場所を称える写真を掲載し、世界中の宇宙ファンに新たな視点を提供したことを取り上げた。
アルネヤディ氏はベイルートを「芸術、文化、美が息づく都市」、スエズ運河を「150年以上にわたり大陸を結び付けてきた世界貿易の中心」と表現した。
持参したカメラで宇宙ステーションから撮影した画像を投稿し、ネット上で大きな反響を呼んでいる。
さらにガーディアン紙は、サウジアラビアのナジュマノーツ2人、アラブ初の女性宇宙飛行士であるラヤナ・バルナウィ氏と、アリ・アルカルニ氏がアルネヤディ氏とともに8日間のミッションに参加したことを伝えた。
3人のアラブ人が同時に宇宙空間にいたのは初めてのことだった。