
ドバイ:日本はイエメンに対し、石油タンカー「セイファー号」が紅海で引き起こす環境被害を防止するために、無償資金協力「浮体式貯蔵・取卸施設セイファー号からの石油漏出防止計画」のもとで援助を提供する。
ニューヨークの国連開発計画(UNDP)本部において、志野光子国連日本政府代表部特命全権大使兼次席常駐代表と、アブダラ・アル・ダルダリUNDP総裁補兼アラブ局長との間で、この無償資金協力に関する書簡の交換が行われた。
セイファー号はイエメン西岸沖の紅海に係留されている浮体式貯蔵・取卸施設である。
老朽化に加え、適切な保守・整備が行われていないことにより、石油が海に流出して大規模な海洋環境汚染や海上交通麻痺などの甚大な人道・環境危機が発生する危険性が高まっていた。
この危機を受け、問題解決のための対応計画が国連の主導により策定された。現在、セイファー号から代替施設への石油の積み替えを含む計画が進行中である。
国連はこの問題を喫緊の課題として議論しており、安保理非常任理事国を務める日本からの援助を受けて、1億4100万円相当の無償資金協力の提供を通して問題の解決に貢献していく考えだ。