
河野太郎防衛相は10日の記者会見で、自衛隊の災害派遣基準を明確化するため、総務省、内閣府などの関係省庁や自治体との間で、活動内容や撤収時期を定めたマニュアルを作成する考えを示した。
相次ぐ災害派遣で必要な訓練が中止や延期を迫られているためで、河野氏は「最大限(の態勢)で初動に当たる一方、出口を明確にすることが必要だ」と述べた。
自衛隊の災害派遣は、緊急性・公共性・非代替性の三つが要件。ただ、自衛隊は危機対応に慣れていることなどから、担う業務は多岐にわたり、負担も増している。派遣は原則自治体の要請によるため、撤収の判断が難しいという。
こうした事情から、防衛省は環境省と災害廃棄物の除去をめぐり、自衛隊がどの業務を担うかについてのルールづくりに取り組んでいる。
防衛省・自衛隊では、新型コロナウイルスの対応に関し、「非代替性」が議論になった。自衛隊は10日までに、集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に延べ2700人、帰国者らの宿泊施設に延べ2200人をそれぞれ派遣し、生活・医療・輸送支援に当たらせた。
河野氏は「どうなるか分からない中、自衛隊がやる意義はあった」と強調し、隊員の感染が全くなかったと胸を張った。一方、「(3要件を満たさず)お断りした業務もある」とも明かした。
JIJI Press