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日本政府、北朝鮮の関係改善を匂わす談話に冷ややかな反応

「岸田総理は金正恩総書記との首脳会談の実現に向け、交渉の場を設けたいと述べた」と、林芳正官房長官は16日の記者会見で語った。(AFP)
「岸田総理は金正恩総書記との首脳会談の実現に向け、交渉の場を設けたいと述べた」と、林芳正官房長官は16日の記者会見で語った。(AFP)
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17 Feb 2024 01:02:49 GMT9
17 Feb 2024 01:02:49 GMT9

東京:日本政府は16日、北朝鮮の金正恩総書記の妹で自身も有力者である金与正氏が発表した、両国関係の改善に前向きな姿勢を示しつつ拉致問題が主要な障壁であるとする談話に対し、冷ややかな反応を示した。

岸田文雄首相が日朝関係に変化を望むと述べたことを受け、金与正氏は15日、将来的に首相を北朝鮮に招待する可能性を匂わせた。

だが、日本政府は金与正氏の談話について「留意している」と言及するにとどめた。

「岸田総理は金正恩総書記との首脳会談の実現に向け、交渉の場を設けたいと述べた」と、林芳正官房長官は16日の記者会見で語った。

ただし、北朝鮮の「拉致問題は解決済みという主張はまったく容認できない」と、官房長官は強調した。

金与正氏は15日に発表した談話のなかで、両国の関係悪化は「日本がすでに解決済みの拉致問題を(交渉の)前提として執拗に持ち出してきた」ことが原因だと主張した。

一方、談話では「2国が接近してはならない理由は何もなく、首相が平壌を訪問する日が来る可能性はある」とした。

北朝鮮は2002年、自国の工作員が1970年代から80年代にかけて13人の日本人を拉致し、諜報員への言語や習慣の教育にあたらせたことを認めた。

拉致問題は日本では依然として強い情動を喚起する問題であり、北朝鮮が公式に認めたよりもはるかに多くの拉致被害者がいるという疑惑は根強い。

拉致問題をめぐる対立は、岸田首相と金正恩総書記の首脳会談に向けた交渉の進展を妨げるかもしれないと、北朝鮮の専門家で慶応大学名誉教授の小此木政夫氏は語る。

「交渉が早期に進展する可能性は低い」と、小此木氏は指摘する。北朝鮮が拉致問題を無視するのならば「日本にとって首脳会談を開くメリットはない」ためだ。

東京大学の経済安全保障プログラムで副ディレクターを務める川井大介氏も同様に、両国の間には拉致問題をめぐり「明確な見解の相違」があると述べた。

「北朝鮮はおそらく、拉致問題への対処に何らかの見返りを期待するでしょう」と、川井氏はAFPに語った。

「しかし現状、日本には北朝鮮の要求を満たすために提供できるものがありません。核開発・ミサイル開発を容認する、経済制裁を緩和するといった、大幅な譲歩をするなら別ですが」

岸田首相は昨年、国連総会でのスピーチのなかで、金正恩総書記と「一切の付帯条件なしに」会談を開くことを望むと表明し、日本政府は拉致問題を含むすべての問題の解決に取り組むとした。

金与正氏の談話発表の前日、韓国政府はキューバとの国交樹立を発表した。キューバは北朝鮮の長年の友好国であり、韓国とは1959年以来断交状態にあった。

AFP

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