Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • 母国逃れた映像作家支援=機材貸与で取材手助け―ミャンマー拘束経験の日本人

母国逃れた映像作家支援=機材貸与で取材手助け―ミャンマー拘束経験の日本人

Short Url:
18 Feb 2024 10:02:26 GMT9
18 Feb 2024 10:02:26 GMT9

2021年2月のクーデターで国軍が実権を握ったミャンマーでは、多くの映像作家らが母国を逃れ、隣国タイで活動を続けている。「困難な状況でも発信を続ける彼らを支援したい」。ミャンマーで一時拘束された経験のある日本人ジャーナリストらはカメラやマイクなどの寄付を募り、無料で貸し出す取り組みを始めた。

企画したのはジャーナリストの北角裕樹さん(48)とドキュメンタリー作家の久保田徹さん(27)。2人ともクーデター後のミャンマー国内を取材中、一時拘束された経験がある。

北角さんによると、ミャンマーと国境を接するタイ北西部メソトには、100人以上のミャンマー人映像作家らが潜伏。母国を逃げ出す際にカメラなどを持ち出せなかったり、生活のために売ったりする人もおり、継続した取材活動のために機材の確保が課題となっているという。

企画では、使っていないカメラやレンズ、SDカードやマイクといった機材の寄付を募り、タイ国内の協力団体を通じて無償で貸与する。映像作家らを対象に、機材の使い方や取材のノウハウなどを伝える研修も実施する予定だ。

北角さんは「ミャンマー国内の状況は非常に悪化している。企画を通じ、彼らが仕事を続けられるための環境を整えたい」と力を込める。

映像作家らの支援には、07年にミャンマーで反政府デモを取材中に銃撃され死亡したジャーナリスト長井健司さん=当時(50)=への追悼の意も込められている。

昨年4月には同国の独立系メディアを通じ、長井さんが最期まで所持していたビデオカメラが遺族に返還された。テープには治安部隊や市民の様子を撮影した映像が残っていたが、銃撃直前で途切れていた。

北角さんらは、映像にビルマ語の字幕を付けて公開し、カメラが戻ってきた経緯や映像の詳細などについて情報提供を求めている。長井さんの妹、小川典子さん(64)は銃撃事件の真相解明につながることを期待するとともに、「ミャンマーの社会がより良くなる一助になれば」と話した。 

時事通信

特に人気
オススメ

return to top