
安倍晋三首相は6日、新型コロナウイルス感染症対策本部で、ウイルス感染の有無を調べるPCR検査の体制について、1日当たりの実施可能数を2万件に増やす方針を明らかにした。重症者の増加に対応するため、治療に必要な人工呼吸器を1万5000台以上、病床は5万床をそれぞれ確保する考えも示した。
首相は「今はさらなる事態の悪化も想定し、感染拡大の防止、医療提供体制の整備に最優先に取り組まなければならない」と表明。PCR検査と保健所の体制拡充により、クラスター(感染集団)対策を強化する方針を強調した。
政府は3月末時点でのPCR検査体制を「1日当たり9000件超」と説明。人工呼吸器は先週末の段階で8000台超を確保したとしていた。病床は現在2万8000床を押さえているという。
首相はまた、感染がさらに拡大した場合、同居家族への感染の恐れなどにより自宅療養が困難な軽症者向けに、東京五輪・パラリンピック用に準備した警察のプレハブ施設を改修し、滞在施設として活用する考えを示した。
時事通信社