リマ:石破茂首相は17日午前(日本時間18日未明)、ペルーの首都リマの大統領府でボルアルテ大統領と会談した。両首脳は、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)構築・強化を盛り込んだ共同声明を発表。ペルーは銅や亜鉛などの鉱物資源が豊富で、首相は「経済安全保障の観点からも日本にとって重要なパートナーだ」と強調した。
共同声明は、力による一方的な現状変更の試みへの反対を明記し、ウクライナの公正で永続的な平和の実現にも言及。日ペルーは、政治・外交や経済、安保分野の協力強化に向けた工程表も採択した。首相は査証(ビザ)免除措置の再開を伝えた。
ペルーではアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、中国資本が建設を主導した巨大港湾の開港式典が開かれるなど、中国が経済的影響力を増している。首相は供給網構築を通じ、経済安保面での結び付きを強めたい考えだ。
会談後の共同記者発表で、首相は「防衛協力を通じ、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた連携を進める」と語った。
時事通信