
【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は17日、オンラインで開かれた総会後に記者会見し、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京五輪で競技会場の観客数を減らす可能性に言及した。「検討すべきシナリオの一つだが、(1年後の)渡航制限にもよる」と述べ、観客数の制限を決めるには「時期尚早。IOCが望んでいることではない」とかわした。
新型コロナの感染予防策やコスト削減の観点から、IOCと組織委員会は200以上の項目について大会の簡素化を検討している。このうち開会式について、バッハ会長は「日本の文化と五輪の価値を示す機会になり、10億人以上がテレビ視聴する。組織委が適切なバランスを見つけると思う」と語った。組織委の森喜朗会長は、IOCが中継局との契約などにより式典の規模縮小に難色を示したことを明らかにしている。
また新型コロナの収束が見通せない中、日本で来夏の五輪開催に賛成しない意見が増えているとの調査結果を英メディアに問われ、バッハ会長は反論。東京都知事選で小池百合子知事が圧勝したことを挙げ、「大会の延期や中止を訴えた候補者たちへの支持は非常に少なかった」と述べた。
JIJI Press