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AIは「凍った記憶」を溶かし、日本人が戦時を思い出すのを助ける

高橋久さんが提供し、2020年に庭田杏珠さんと渡邉英徳教授によってデジタルでカラー化されて出版されたこの白黒写真では、スイカで顔を覆っている高橋さんを中心に、彼の家族と親戚は、スイカを食べながら写真のためにポーズを取る。1932年頃、広島、西日本で撮影。 (File photo/AP)
高橋久さんが提供し、2020年に庭田杏珠さんと渡邉英徳教授によってデジタルでカラー化されて出版されたこの白黒写真では、スイカで顔を覆っている高橋さんを中心に、彼の家族と親戚は、スイカを食べながら写真のためにポーズを取る。1932年頃、広島、西日本で撮影。 (File photo/AP)
高橋久さんが提供し、2020年に庭田杏珠さんと渡邉英徳教授によってデジタルでカラー化されて出版されたこの白黒写真では、スイカで顔を覆っている高橋さんを中心に、彼の家族と親戚は、スイカを食べながら写真のためにポーズを取る。1932年頃、広島、西日本で撮影。 (File photo/AP)
高橋久さんが提供し、2020年に庭田杏珠さんと渡邉英徳教授によってデジタルでカラー化されて出版されたこの白黒写真では、スイカで顔を覆っている高橋さんを中心に、彼の家族と親戚は、スイカを食べながら写真のためにポーズを取る。1932年頃、広島、西日本で撮影。 (File photo/AP)
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14 Aug 2020 04:08:29 GMT9
14 Aug 2020 04:08:29 GMT9

第二次世界大戦前に撮られた、桜の下でのピクニックを楽しむ家族の白黒写真。そのカラー版を浜井徳三さんが見つめると、1945年の広島の原爆で亡くなった家族の忘れられた思い出が溢れ出てきました。

「カラー写真だと、皆が生き生きとします」と今年86歳の浜井さんは語ります。「私はよくこの辺り(ピクニックに行った場所)で遊んで、時にはいたずらをして、良く父親に叱られたものです」失われた思い出を再び彩るカラー写真の力は、3年前に浜井にカラー写真を贈った学生、庭田杏珠さんにとっても目を見張るものだった。

第二次世界大戦終結75周年は土曜日である。現在18歳の庭田さんは、急速に高齢化が進む戦争を経験した世代の失われた記憶を刺激するために、人工知能と独自の研究を使用して、白黒写真を入念に色付けするという東京大学教授と、彼女のプロジェクトに注目が集まることを望むと述べる。

「庭田さんが浜井さんと色付けをした写真を一緒に見ながら、浜井さんの昔の思い出が次々と思い出されるのを見ると、これまで凍っていた記憶の周りの氷が溶けていくように感じました」と、白黒写真にAIを使って色づけする方法を教えた渡邉英徳教授は語る。

庭田さんと渡邉教授は写真のカラー化プロジェクトを「記憶の解凍」と呼び、戦前、戦中、戦後に撮影された約350枚のモノクロ写真のカラー版の本を先月出版した。

渡邉教授と庭田さんは、3種類のAI写真カラーリングソフトウェアを使用している。 渡邉教授によると、AIは、海、空、人間の皮膚などの自然物の正確な色を特定するのに役立つが、屋根や衣服などの人工のオブジェクトを正確に色づけするのを苦手としている。

そこで庭田さんと渡邉教授は、AIで色付けされた写真を手作業で丹念に仕上げ、写真の所有者の思い出と専門家からのアドバイスに基づいて、より正確な色付けをした。 彼らはまた、色がどのように見えるべきかを示す歴史的文書やアーカイブを調べました。

一部の写真は、修整作業が完了するまでに数か月かかりました。

渡邉教授にとって、ツイッターはカラー化プロジェクトを推進するための強力なプラットフォームとなっている。

AIのソフトウェアが白く着色した広島原爆のキノコ雲の写真をツイッターに投稿したときには、ある映画監督が、それはもっとオレンジ色にするべきだと提案してきたこともある。

渡邉教授は、きのこ雲を見た人々の証言をチェックする一方で、原爆を構成している要素を調査し、それが実際にオレンジ色を帯びていたかどうかを確認した。

彼はそれが可能であることを確認した後、写真にオレンジ色を追加した。

色の正確さが重要である一方、庭田さんと渡邉教授は、最も重要なことは、色付けされた写真が、写真の所有者の思い出と一致することだと述べる。

しかし、時間がなくなりつつあります。 原爆被爆者の平均年齢は約83歳になる。

お年寄りが修復された写真を見ると、不思議な瞬間がよくある。

庭田さんがある認知症の生存者に家族写真のカラー版を見せたときには、彼は写真の中の花の種類を思い出せた。それからわずか数週間後には、彼は話すことさえままならくなっていた。

新型コロナウイルス感染症が蔓延している中でカラー版の本を出版したことで、彼女はパンデミックと戦争との関連について考えたと語った。

「私たちの日常生活は、新型コロナウイルスによって一瞬の間に奪われました。これは戦争で起こったことと似ていると思うのです。だからこそ、今は人々が自分の体験として(戦時中の生活)を想像するいい機会だと感じています」と語った。

渡邉教授は、新しいテクノロジーを使用することで、若い日本人が戦争を生きてきた人々を身近に感じやすくなることを期待している。

「人々は戦時中の記憶を忘れはじめています。最新の表現方法を用いて古い思い出に新しい命を吹き込み、それをなるべく多くの人々の心に届ける必要があります」と彼は語っている。「80周年または85周年を迎えるまでには、(戦時の思い出)を思い起こす、新しい表現方法を考え出す必要があります」

AP

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