
【ニューヨーク時事】グテレス国連事務総長は9日、オンラインで日本メディアと会見し、「来年広島を訪問できることを望む」と意欲を示した。グテレス氏は原爆投下から75年の今年8月に広島の平和記念式典出席を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、見送っていた。
グテレス氏は過去の被爆者との面会で「道徳や勇気に深く感銘を受けた」と表明。「世界は彼らに借りがある。軍縮に向けてより効果的に取り組まなければならない」と強調した。国連事務総長としては、2010年に当時の潘基文事務総長が広島の平和記念式典に初めて出席。グテレス氏は18年に事務総長として初めて長崎の平和祈念式典に出席した。
また、来年2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約(新START)をめぐり、米国は中国が参加する核軍縮体制の構築を求めているが、グテレス氏は「中国(の参加)がどうなろうとも、新STARTは延長されるべきだ」と訴えた。一方、「あらゆる当事者が関わる軍縮のよりグローバルな枠組みができることが非常に重要だ」とも述べた。
唯一の被爆国日本に対しては、核軍縮進展に向けて核兵器保有国との交渉で「前向きな役割」を果たすことに期待を示した。
JIJI Press