
田村憲久厚生労働相は6日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンをめぐり、政府が審査を3週間で終えて11月に承認する方向で計画しているとの一部報道について、「申請前から承認時期が決まっていることはあり得ない」と否定した。厚労相は「有効性や安全性を確認した上で承認するか決める。時期が決まっていたら審査する意味がない」と述べた。
アビガンを開発した富士フイルム富山化学(東京)は9月下旬、臨床試験(治験)で症状改善に一定の効果が確認されたとして、10月中にも厚労省に承認申請すると発表した。アビガンは、新型インフルエンザの治療薬として承認されているが、腎機能低下や胎児への影響といった副作用が指摘されている。
田村厚労相は、承認時期のめどについては「予断を持って答えられる状況ではない」と語った。
JIJI Press