
佐賀市で毎年開催される熱気球(バルーン)の国際大会が、新型コロナウイルスの影響で中止されたことを受け、無観客のバルーンイベントが31日、市内などで始まった。早朝に飛び立った約30機のバルーンが、秋空を鮮やかに彩った。イベントは11月3日まで。
大会の中止は1980年の開始以来初めて。例年は、操縦技術を競う競技飛行などが行われる。昨年は16の国や地域から121機が参加し、5日間で国内外から約93万人が来場した。
佐賀バルーンフェスタ組織委員会は6月、会場での密集対策が難しいなどとして大会中止を決定。これに代わり、安全に楽しめるイベントとして、市内の住宅街上空を飛ぶファンフライトを実施したり、夜間にライトアップしたバルーンの映像を音楽と共に配信したりする。
ファンフライトのパイロットを務めた同市の会社員横松鈴菜さん(25)は「たくさんの人が手を振って声を掛けてくれた」と声を弾ませ、「地域の人も楽しみにしているイベント。中止は残念だが、感染症対策の観点からは仕方ない」と話した。離陸場所となった市内のショッピングモール駐車場の近くに居合わせた女性(36)は「まさか市の中心地で打ち上がるとは」と驚いていた。
JIJI Press