
国連:アントニオ・グテーレス国連事務総長は木曜日、ガザ地区は子どもたちにとって「地上の地獄」であると述べ、イスラエルに対し支援物資を迅速かつ自由に搬入させるよう訴えたほか、193か国の加盟国から成る国連総会に対しては、人道支援資金提供の呼びかけを開始すると述べた。
ガザ地区で人道的危機が深刻化するなか、木曜日には同地区における戦闘停止に向けた外交努力が勢いを増したが、イスラエルとパレスチナの過激派組織ハマスとの戦闘は続いた。
193か国の加盟国から成る国連総会は木曜日に会合を開き、暴力の再発について協議したが、何らかの行動が取られる見通しはなかった。
「地球上に地獄があるとすれば、それは現在のガザ地区の子どもたちの生活だ」とグテーレス氏は述べ、人道支援資金提供の全面的な呼びかけをできるだけ早急に開始すると付け加えた。
「今回の敵対行為により、ガザ地区の道路や電線といった極めて重大な公共インフラに深刻な被害が出ており、これにより人道上の緊急事態が起きている。ガザ地区への入域検問所は閉鎖され、電力不足により水の供給に影響が出ている」とグテーレス氏は付け加えた。
グテーレス氏は即時停戦を訴え、イスラエル軍に対しては最大限の自制を行使するよう、ハマスに対してはロケット砲の無差別発射を停止するよう求めた。さらに、イスラエルに対し、パレスチナ自治区における取り壊しや立ち退きを停止するよう求めた。
「人道支援物資を搬入できるようにすることが最重要だ。ハマスによる検問所周辺への攻撃は容認できない」とグテーレス氏は述べた。「同時に、イスラエルは人道支援物資のガザ地区への迅速かつ自由な搬入を許可し、搬入が円滑に行われるよう支援する義務がある」と述べた。
グテーレス氏によると、何百という建物や家屋が破壊・破損され、空爆の被害に遭った病院も何件かあるという。約5万人の市民が国連が運営する学校やモスクなどに避難しており、水や食料、衛生用品、医療サービスが決定的に不足している状態であるとグテーレス氏は付け加えた。
米国の国連代表部は水曜日、フランスが推し進める安保理決議に反対を表明した。外交官によると、フランスは安保理決議案を加盟国に配布したという。米国はこれまでも同盟国であるイスラエルを国連で擁護してきた。
ロイターが入手したフランスの決議案では、敵対行為の即時停止を要求し、「民間人の居住地域に対する無差別なロケット弾の発射」を非難しているが、責任の所在は明らかにしていない。さらに、民間人の保護および二国家樹立を目指したイスラエルとパレスチナの和平プロセスの復活を強く迫った内容となっている。
ロイター