
温暖化が進むと、東北地方南部の日本海側と北陸、長野・岐阜両県北部の山地や山間部では豪雪が強まるとの予測を、東北大や気象庁気象研究所、海洋研究開発機構、名古屋大の研究チームが16日発表した。
地球全体の平均気温が産業革命前から4度上昇した場合を想定し、東北北部を除く本州と四国を対象にスーパーコンピューターで大規模な予測計算を行った成果。論文は米地球物理学連合の専門誌に掲載される。
日本海側で雪が降るのは、西高東低の冬型気圧配置となり、シベリア方面から寒気が流れ込むのが典型的なパターン。温暖化が進んでも寒気の温度上昇は小幅にとどまるため、相対的に寒気の勢力が強まって日本海への流入量が増える。温かい海水からの水蒸気が多くなって雪雲が成長し、山地にぶつかって現在より強い豪雪になるという。
一方、沿岸部の平地では雪雲が上空を通過しやすくなり、豪雪が弱まる見込み。東北大の佐々井崇博助教は「大寒波の可能性がある時には、標高の高い所で今より強い豪雪を警戒する必要がある」と話している。
JIJI Press