
経済産業省は2020年度、公立学校などがパソコン端末上でデジタル教材を試験的に導入する際、自治体や学校側の負担をゼロとするための補助制度を創設する方針を固めた。事業者がお試し教材セットを学校に無償で提供する場合、パソコンの設定や教員研修などの費用を最大3分の2助成する。政府は経済対策で、23年度までに全小中学校への端末「1人1台」配備方針を打ち出しており、ソフト面での導入支援に乗り出す。
デジタル教材には、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)などの技術が盛り込まれている。児童生徒一人一人の理解度に応じた学びを提供でき、学習効率の向上や教員の働き方改革につながるとの期待がある。一方で、教材開発メーカーには中小ベンチャーが多く、無償提供のハードルが高いため、国費で支援することにした。
19年度補正予算案に10億円を計上。お試し教材を提供する中小事業者に対し、経費の3分の2を補助する。納入実績のある大手が共同で提供する場合、補助率は2分の1とする。自治体側の負担をゼロとし、まずは効果を実感してもらった上で、本格導入に結び付けたい考えだ。
同省は「興味はあるがどうしたら良いか分からない」という自治体や教職員を対象とした体験会にも着手。先進的な導入事例を紹介するとともに、実際に複数のデジタル教材に触れてもらうことが目的で、20年度末までに全47都道府県での開催を目指す。
JIJI Press