
プノンペン時事: 岸田文雄首相は12日午後(日本時間同)、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳による会議に出席した。首相は中国が軍事的圧力を強める台湾情勢に関し、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調。首脳間では、日・ASEANの友好協力50年となる2023年の12月をめどに、東京で「特別首脳会議」を開催することで一致した。
首相は中国を念頭に、東・南シナ海での現状変更の試みに懸念を表明。「ASEANが最大限の自制を求めていることも評価したい」と語った。日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋」構想と理念が近い「ASEANアウトルック」への支持を表明。ASEAN側からは、南シナ海での航行の自由の重要性や国際法順守を訴える声が上がった。
首相は、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器の使用をちらつかせていることに関し、「使用されれば人類に対する敵対行為だ。国際社会として明確なメッセージを発したい」と強調。弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮については「到底看過できない」と非難した。
また、新型コロナウイルス感染で打撃を受けた地域経済の回復を支援する考えも伝えた。
時事通信