
連合は1日の中央委員会で、2023年春闘の闘争方針を正式決定した。
定期昇給分を含めた賃上げの要求水準について、16年春闘以降続いた「4%程度」から「5%程度」に引き上げた。物価高で生活が圧迫される一方、実質賃金はマイナスが続く。
連合は危機感を強めており、物価上昇分を反映させた大幅な賃上げを実現したい考えだ。
方針では、2%の定期昇給を前提に、基本給を底上げするベースアップ(ベア)は昨年までの要求に1%分を上乗せした「3%程度」とした。
ベア要求は10年連続となる。
芳野友子会長は中央委で「日本の労働者は物価高、円安、新型コロナウイルス禍の三重苦の中に置かれている」と述べ、賃上げの必要性を強調した。
傘下の労働組合からは「生活が苦しいとの悲痛な声が数多く届いている」「23年春闘への期待感は高い」との声が上がった。
ただ、総務省が発表した10月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比3.6%増と、今回のベア要求分を上回る水準だ。
物価を反映させた実質賃金は、9月まで6カ月連続でマイナスが続いている。
連合は企業規模や性別、雇用形態の違いで生じる賃金格差の是正などにも取り組む方針。
「三重苦」の中で行われる注目の労使交渉は、来年2月以降に本格化する。
時事通信