
ワシントン:米国とオーストラリアは6日、中国の急速な軍事的活動の活発化を念頭に、両国の連携を誓い、日本へ軍事演習などへの参加拡大を呼びかけると発表した。
オーストラリアの国防相と外相は、ワシントンでの会談で米国との軍事的連携を強化することで合意し、その後、東京を訪問すると述べた。
リチャード・マールス国防相は4者会談の記者会見で、「地域内のバランスを取るため、また地域内の他の国々が巻き込まれるという観点から、軍事的連携を強化することはまことに重要であり、日本との防衛協力を深めることができることに期待している」と述べた。
マールス国防相は、「我々は今週末日本に行き、日本がオーストラリアやアメリカとの演習にさらに参加するよう求めたい」と述べた。
オーストラリアの労働党政権が6ヶ月前に発足して以来、このような会談は初めてである。
ロイド・オースティン米国防長官は、同盟国はオーストラリアでの軍事演習に日本の参加拡大を要請するとした。
米国は2011年から、第二次世界大戦中日本帝国が攻撃した北部の戦略都市ダーウィンへ海兵隊の巡回配備を行っている。
オースティン長官は、米国とオーストラリアは、オーストラリアにおいて、米軍の爆撃機部隊、戦闘機、米国陸軍や海軍などの巡回配備を拡大することで合意したと述べた。
オースティン長官は、「我々は、三か国の防衛協力を強化し、オーストラリアにおける我々の戦力構想に日本の参加を呼び掛けることで合意した」と述べた。
日本は米国の条約上の同盟国であり、近年はオーストラリアとの外交協力の拡大を模索してきたが、第二次世界大戦の敗戦以来、政府の表向きの平和主義により、防衛関係はより微妙なものとなっていた。
しかし、日本は5月にオーストラリアの北東部沿岸で、歩兵の実弾射撃や戦車の統合などを含む大規模な三か国間演習に参加した。
習近平国家主席のもとで中国の主張が強まっているため、3カ国は共通の理念を見出すようになっている。
オースティン長官は、「中国が台湾周辺、太平洋島嶼国、東シナ海、南シナ海を含むインド太平洋全域で、危険で強圧的な行動をとり、地域の平和と安定を脅かしている」と指摘した。
米国、日本、オーストラリアは近年、インドとのいわゆるクワッド(四カ国同盟)を通じて協力してきたが、インドは他の3カ国よりも、中国に対抗する同盟の結成をためらっているようである。
時事通信