東京： 日産自動車での給料を過小に報告したとして日本で罪に問われているカルロス・ゴーンが裁判を受けさせるため日本に残した彼の補佐官は、無罪判決を言い渡される可能性が非常に高いと、元検察官が述べた。

日本の司法制度に対し自ら「人質」司法と声高に避難する弁護士の郷原信郎氏は、先月ゴーンがレバノンへ劇的な逃亡を遂げる前の昨年末、日本で何回もこの日産前会長に面会した。

厳格な保釈条件を破って子供時代の故郷へ逃亡したゴーンは日本の司法制度を非難し、世界で最も力のある自動車業界幹部の1人の失脚という汚名をそそぐことを誓ってきた。

ゴーンと日産の元取締役グレッグ・ケリーの両者は、給料を1億900万ドル以上偽って報告したとされる会計上の不正行為で罪に問われている。同時にゴーンは個人的な目的で会社の資金を使ったとする特別背任行為でも罪に問われた。

2人は不正行為を否定している。ケリーは日本に残り、裁判を待っている。

ゴーンに対して引退後に支払われる追加の給料が日本の法律で犯罪を構成するかは疑いの余地がある。それがまだ支払われていないためだと、郷原氏は述べる。同氏は、そのような支払い方法を手配したとして告訴されているゴーンやケリーの弁護人ではない。

「個人的には、ゴーン氏が金融商品取引法に基づいて無罪となる可能性は非常に高いと考えます」と、郷原氏は水曜、東京で記者たちに話した。

「同様に、ケリー氏も無罪となる可能性が高い」

2人と、同じ罪に問われている日産の裁判は、2021年か2022年中に始まることになっている。ゴーンの逃亡を受け、スケジュールが更新されるかどうかは不透明だ。

日本の法務省は、両国が犯罪者引渡条約を結んでいないとしても、ゴーンをレバノンから連れ戻す方法を見つけることを目指すと述べている。

特別背任に係る別の裁判は数年続く可能性があると、郷原氏は言う。ゴーンが損失の出ていた個人的な通貨取引を一時的に日産の帳簿へ付け替えたことを含む嫌疑に関して、検察官は有罪を証明する十分な証拠を持っていないためである。

この弁護士は事件について自らが書いてきた本のために、11月と12月にゴーンと約10時間にわたってインタビューを行ったと述べた。その後このプロジェクトは、郷原氏が容疑者の逃亡とは無関係とする理由で保留となっている。

ロイター