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長崎地裁、被曝2世の訴えを退ける

写真左、崎山昇氏(原告団長)。長崎地裁で判決への不服を表明。2022年12月12日。 (File/共同通信社AP経由)
写真左、崎山昇氏(原告団長)。長崎地裁で判決への不服を表明。2022年12月12日。 (File/共同通信社AP経由)
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13 Dec 2022 12:12:20 GMT9
13 Dec 2022 12:12:20 GMT9

12日、長崎地方裁判所は長崎の被爆者の子息らが提出した援助の訴えを棄却。被曝2世らは政府による医療費の補償を受けることを求めていたが、地裁は放射能の遺伝への影響は証明されていないとした。

1945年8月の原爆による被爆者の子息からなる28名は2017年に訴訟を起こし、政府による医療費補償の適応対象になることを求めていた。原告のうちの2名は裁判が続く中すでに亡くなっている。

長崎地裁は12日、放射能の遺伝的影響は否定できないとしながらも、科学的証明はなされておらず、政府が原告側を医療補助の対象としていないことは違憲ではないとした。

しかし地裁は、費用の負担を被曝2世にまで拡大するか否かは立法府の裁量的判断に委ねられるとした。

政府は今までのところ、親の被爆による子どもへの遺伝的な影響は確認されていないとしている。

原告側の年齢は50代から70代にわたるが、1人あたり10万円(730ドル)の損害賠償を政府に求めており、補助の対象から外れていることは法のもとの平等を定めた憲法に違反するとしていた。広島地裁でも同様の訴訟が係争中で、判決は来年のはじめを予定している。

アメリカによる最初の原爆は1945年8月6日に広島に投下され、都市を破壊し14万人が犠牲になった。その3日後長崎にも投下され7万人の犠牲が出た。日本は8月15日に降伏し、第二次大戦とおよそ半世紀続いたアジアへの侵攻が終わった。

原爆から生き延びた人の多くは、爆発や放射能に晒されたことにより長期にわたる障害や病気を抱え、国内での差別も経験している。

生存者の子どもは「被曝2世」と呼ばれるが、親が被曝したことによる遺伝的影響があるのではないかと、常に不安を抱えてきた。また、被曝2世の多くは様々な種類の癌やその他の健康問題を抱えてきた。被曝2世は遺伝的影響を受けている人の総数は30万人から50万人にのぼるとしている。

現在のところ、原爆から生存した人と妊娠中に被曝した人のみが、政府による放射線障害や癌の検査の医療的補助を受けている。政府は1979年から被爆者の子どもたちに無料の検査を提供しているが、そこに癌の検査は含まれていない。

7月の最後の審理で、原告団長を務める崎山昇氏は自身が抱える膵嚢胞が癌化することの不安を口にした。彼の母は爆心地から7キロメートル(4.2マイル)の場所で被曝したが、膵臓癌で亡くなっている。また崎山氏は、仲間の多くが彼の両親と同じよう学校や職場などで差別に合ったとも述べた。

崎山氏は、判決は「非常に残念」と述べたが、政府の援助を受けられるよう取り組みを引き続き行なっていきたいとした。

AP

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