Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • コロナウイルスが日本の地方選挙に変化をもたらす

コロナウイルスが日本の地方選挙に変化をもたらす

7月の東京知事選挙では、小池百合子知事が街頭活動を避けながら圧勝した。
7月の東京知事選挙では、小池百合子知事が街頭活動を避けながら圧勝した。
Short Url:
02 Jan 2021 04:01:57 GMT9
02 Jan 2021 04:01:57 GMT9

東京:日本の選挙運動では、現職者は通常、有権者間での知名度の強さから、再選への有利な道を進む。

しかし、昨年、多くの地方自治体の首長が新人候補者に敗れた。一部の専門家はこれを新型コロナウイルスの流行に起因すると考える。

地方選挙に詳しい東北大学大学院情報科学研究科の河村和徳准教授は、「集会で『密』を回避しなければならず、従来のノウハウが活用できない」と述べた。『3密』は密閉・密集・密接という条件であり、コロナウイルス感染のリスクが高まるとされている。

「組織力以上に、候補者は言葉の力を用い、話す能力を発揮する必要がある」と河村氏は語った。

10月18日に行われた8つの市長選挙で、現職首長が5市で落選した。日本中部地方の長野県では、10月18日を含め、3市の市長選で立て続けに現職者が敗北した。

新型コロナウイルスは選挙戦に変化をもたらした。集会規模が縮小され、公開討論が中止された。

候補者はフェイスガードを着用し、握手する代わりに、支持者と肘タッチをした。『3蜜』を回避するために、多数が、このようなイベントの動画中継に注力し、街頭演説の日時と場所の告知を控えた。

市長選挙で現職を応援した県議は、「大勢の人に会わないまま選挙戦に入ってしまった」と語った。集会を縮小し、業界団体の会合にも出席できず、現職者は選挙に敗れた。

「現職が集会で顔を多く出せたならば、知名度を多用し、つながりも保てただろう。このような機会がなくなり、大きな痛手となった。」と県議は述べた。

7月の東京知事選挙では、小池百合子知事が街頭活動を避けながら圧勝した。

小池氏は、コロナ関連の毎日の会見でメディアで大々的に報道された。氏の「『密』です」というフレーズは、新型コロナウイルスのさらなる蔓延防止のため社会的距離を見守る記者団のフォローを促し、ソーシャルメディアの流行語となった。『蜜』は『3蜜』条件を指す。

「現職の首長は現在、コロナウイルスで露出の機会が少ないが、コミュニケーション能力のある個人が結局は多く露出している」と河村氏は述べた。

コロナウイルス危機の収束の兆しがまだ見えない中、組織からの支援に大きく頼る従来の選挙運動手法が見直される可能性が高い、と氏は述べた。

「組織戦にはダメージが残るだろう。候補者は定期的な集会を開いて握手するといった『メンテナンス』が実行できない」と氏は述べた。

河村氏は、2011年3月の地震と津波の余波で、被災地での地方選挙で現職首長が続いて落選したことを指摘し、「危機対応の場面では現職の実績が曖昧になる可能性がある」と述べた。

氏は、コロナウイルス流行は、コミュニケーション力があり有権者に手を差し伸べる能力を持つ候補者に有利に働くと述べた。「重要なのは、候補者が無党派層を動かせるかどうかである」と語った。

JIJI Press

topics
特に人気
オススメ

return to top