
海外の暗号資産(仮想通貨)交換所から、約7800万円相当のビットコインを詐取したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は23日までに、電子計算機使用詐欺などの疑いで、仮想通貨管理運営会社の元社員鬼塚勇人(25)=東京都練馬区春日町=、無職笹木拓磨(28)=千葉県野田市山崎=両容疑者を逮捕した。いずれも容疑を認めているという。
逮捕容疑は2018年10月29日、海外の仮想通貨交換所「CoinExchange」のサーバーに、東京都文京区の仮想通貨管理運営会社のIDとパスワードでアクセスし、同社アカウントに保管されていた約7800万円相当のビットコインを両容疑者が管理するアカウントに不正送金して、だまし取るなどした疑い。
同課によると、鬼塚容疑者は当時、同社の社員で、技術責任者としてIDやパスワードを知る立場にあった。同容疑者からIDなどを聞いた笹木容疑者が仮想通貨交換所のサーバーにログインし、ビットコインを不正に引き出したとみられる。
両容疑者は4~5年前にインターネット掲示板で知り合ったが、直接面識はなかった。鬼塚容疑者は「当時の社長の経営方針が気に入らず、会社をつぶそうと思った」などと供述している。
同社から相談があり、警視庁が捜査していた。詐取されたビットコインは海外と国内の交換所に開設された二つのアカウントに送金され、一部は現金化されて笹木容疑者の口座に振り込まれた。同容疑者は現金計約600万円を引き出し、旅行代金などに充てていたという。
時事通信社