
北京時事:中国外務省の汪文斌副報道局長は15日の記者会見で、日本が領空内で過去に確認された飛行物体を中国の偵察気球と推定したことに関し、「確証のないまま中国を攻撃することに断固反対だ」と反発した。
その上で「客観的かつ公正な立場を維持し、米国の人為的な宣伝への追随をやめなければならない」と強調した。
汪氏は、日本政府が気球などに対する武器使用基準の見直しを検討していることについても「米国に追随すべきではない」と訴えた。
米国上空で撃墜された中国の気球が、中国側の想定したコースを外れて米本土上空に到達したという米報道に関しては「米領空に迷い込んだのは完全に不可抗力で、過剰反応してはならない」と改めて説明。
ただ、予定していた本来のコースについては言及を避けた。
中国は13日以降、「米国の気球も昨年から十数回、中国領空に不法侵入している」という主張を展開している。
汪氏は15日の会見で「米気球」が新疆ウイグル、チベット両自治区を含む中国領空を飛行したと述べ、「中国側は冷静で専門的な処置をしたが、米側は過剰反応した」と非難した。
一方で汪氏は、「処置」の具体的方法や写真などの証拠は示さなかった。中国の説明を「偽りだ」と否定している米側に対しては、「責任ある態度ではない」と批判した。
時事通信