
沖縄県の宮古島周辺で10人が乗った陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故で、陸自は21日、死亡が確認された5人のうち、新たに1人の身元について、事故当時に第8師団長だった坂本雄一陸将(55)と確認されたと発表した。これまでに2人の身元が判明しており、残る2人の特定や他の不明者発見を急いでいる。
坂本陸将は、熊本市に司令部を置き、約5000人が所属する第8師団のトップだった。陸自は後任人事を発表済みで、青木伸一陸将に21日付で交代した。
坂本陸将は宮古島などの地形を上空から視察するため、ヘリに搭乗していた。海自の潜水士が水深106メートルの海底に沈んだ事故機とみられる機体の周辺から遺体を引き揚げ、DNA型鑑定と家族の面会で身元を特定したという。
機体周辺では6人が見つかり、うち5人を収容し、死亡が確認された。第8師団に所属する庭田徹1等陸佐(48)と神尊皓基3等陸佐(34)の死亡も判明している。
また、陸自は21日、機体の引き揚げを行う民間のサルベージ業者を決定し、約10億円で契約した。早ければ今月中にも作業を始める。
時事通信