
新型コロナウイルスに感染していた香港の男性が乗っていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」について、厚生労働省は6日、新たに10人の新型ウイルス感染が確認されたと発表した。同日、神奈川県内の医療機関に搬送される。同船内の乗客乗員の集団感染は、香港の男性を除き計20人になり、国内の感染者は計45人となった。
同省によると、6日に判明した10人は全て乗客で、症状はあるが歩ける状態。日本人は4人で、60代女性1人と、70代の男性1人、女性2人。5日判明の3人と合わせ、船内で感染した日本人は計7人になった。
同省は乗客らのうち、発熱などの症状がある人ら計273人分の検体を採取して検査していた。6日までに102人の結果が判明し、計20人から陽性反応が出た。同省は残る検体の検査を進めており、感染者数はさらに増える可能性がある。重症化する恐れがある高齢者や、持病がある人に対しては、症状がない場合の検査も検討している。
船内での集団感染確認を受け、同省は乗客らに19日までの2週間、船内待機を要請するとともに、個室で過ごすことなどを求めている。同船は6日午前、船内に留め置かれた約3700人の乗客乗員に向け、食料や物資を補給するため、横浜市の大黒ふ頭に着岸した。
防衛省は、船内での生活や医療支援のため活動する医官を含む自衛官の活動拠点として、チャーター契約を結ぶ民間大型船「はくおう」を横浜港に派遣した。
横浜市は、待機期間中に乗客らが心身に不調を来すことを懸念しており、運航会社からの要請があれば、保健師を船内に派遣して相談に応じることも検討している。
時事通信社