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米韓軍、北朝鮮との国境付近で大規模な実射訓練を実施へ

野戦砲兵大隊の砲撃訓練中の米兵たち。2023年3月19日、韓国の抱川(ポチョン)。今週実施される米韓の実射訓練「共同火力撃滅訓練」は同種の訓練としては過去最大規模となる。(AFP)
野戦砲兵大隊の砲撃訓練中の米兵たち。2023年3月19日、韓国の抱川(ポチョン)。今週実施される米韓の実射訓練「共同火力撃滅訓練」は同種の訓練としては過去最大規模となる。(AFP)
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25 May 2023 08:05:06 GMT9
25 May 2023 08:05:06 GMT9
  • この演習は両同盟国の合同作戦実施能力の向上を目的としている
  • 北朝鮮は、「このような敵対的侵攻の予行演習」が目と鼻の先で実施されることを容認しないと警告している

ソウル:韓国軍と米軍は25日、北朝鮮との国境付近で大規模な実射訓練を開始する。北朝鮮は、「このような敵対的侵攻の予行演習」が目と鼻の先で実施されることを容認しないと警告している。

25日の訓練は、6月中旬まで5回にわたって実施される実射訓練の1回目であり、米韓軍事同盟70周年を記念して行われる。北朝鮮はこのような米韓の大規模な訓練に対し、大抵の場合ミサイルやその他の兵器の実験で反応してきた。

北朝鮮は2022年初頭からミサイル発射実験を100回以上実施しているが、今年4月中旬に固体燃料式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射して以降は行っていない。同国は猛烈なペースでミサイル実験を行っているのは米韓による軍事演習の拡大に対抗するためだと主張しているが、兵器開発を進めたうえで最終的に外交で敵対諸国からより大きな譲歩を引き出すことが目的だと観測筋は見ている。

「共同火力撃滅訓練」と呼ばれるこの米韓の実射訓練は、同種の訓練としては過去最大規模となる。韓国国防省によると、1977年に開始されたこれらの訓練はこれまでに11回実施されている。

同省関係者によると、今年の訓練には米韓から先進ステルス戦闘機、攻撃ヘリコプター、戦車、多連装ロケットシステムなどが投入されるという。訓練に参加する部隊の数は現時点では明らかではないが、2017年に行われた直近の訓練には両国から約2000人の兵士と250個の武器が投入されていた。

国防省が以前出した声明は、これらの訓練の目的は両同盟国の合同作戦実施能力の向上であるとしたうえで、米韓は北朝鮮からの核やミサイルの脅威に対処するための「圧倒的な抑止・対応能力」の確立を目指すとしている。

北朝鮮国営メディア「朝鮮中央通信」は19日、これらの訓練は「北朝鮮を標的とした戦争の予行演習の典型」であるとしたうえで、訓練が軍事境界線から数キロメートル(マイル)の場所で行われるという「事実を深刻に受け止めざるを得ない」と述べた。

さらに、一連の大規模かつ挑発的な訓練をめぐって米韓は「相応の対応」を受けることになるとしたが、その対応について具体的には述べなかった。

米韓軍は今年、過去5年間で最大規模の野外訓練を実施した。米国はまた、韓国との合同訓練にニミッツ級原子力空母や核搭載可能爆撃機を投入した。

ソウルの韓国国家戦略研究院でアナリストを務める文聖黙(ムン・ソンムク)氏は、北朝鮮は自国の兵器を現代化するという公言された目標を実現するために兵器実験を再開する口実として米韓の訓練を利用する可能性があると指摘する。田植えの季節の農業生産拡大政策などの北朝鮮の国内問題も兵器実験に関する決定に影響を与える可能性があるという。

同氏は、「米韓の共同火力訓練が6年ぶりに規模を拡大して行われることに対し、北朝鮮は負荷を感じざるを得ない」と話す。北朝鮮は固体燃料式ICBM、潜水艦発射弾道ミサイル、短距離弾道ミサイルなどを発射する可能性があるという。

米国のジョー・バイデン大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は先月の首脳会談の際、抑止能力を強化する一連の措置を発表した。米国の核搭載可能潜水艦の韓国での定期的な入渠、合同訓練の強化、核協議グループの新設などだ。バイデン大統領はまた、北朝鮮が米国または同盟国を核攻撃すれば「体制は終焉を迎える」ことになるとのストレートな警告を発した。

北朝鮮の指導者金正恩(キム・ジョンウン)氏の妹で有力者の金与正(キム・ヨジョン)氏は後日、バイデン・尹会談の合意は両国の北朝鮮に対する「最も敵対的で攻撃的な行動意志」を明らかにしたと述べた。また、「米韓の夢物語はこれからより強力な力を持った存在に直面することになる」として、自国のエスカレートする核ドクトリンをさらに強化すると警告した。

北朝鮮が昨年、核兵器の先制使用を認める法律を制定したことで、同国の核開発に対する懸念が高まった。ただ国外の専門家の多くは、北朝鮮はまだ機能する核ミサイルを保有していないと見ている。

AP

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