
新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で船内待機を続けてきた乗客が19日午前、下船を開始した。発熱などの症状がなく、ウイルス検査で陰性だった人が対象で、同日は日本人の高齢者ら443人が下船。17日時点の乗客乗員は約3180人で、乗客の下船は21日に完了する予定。乗員の日程は未定という。
同船では19日、新たに79人の新型ウイルス陽性が確認された。これまでに確認された感染者は計621人で、重症者は日本人13人を含む計25人。午前11時ごろから下船を始めた乗客は、船の運航会社が用意したバスで最寄りの駅に移動するなどし、帰途に就いた。この日の下船は午後4時すぎに終わった。
厚生労働省は、帰宅後2週間は発熱の有無などを毎日チェックし、念のため、不要不急の外出は控えるよう要請。異常を感じたら専用窓口に連絡することも求めた。感染者の同室者らの下船日については個別に判断する。
クルーズ船は1月20日に横浜を出港し、2月1日の那覇入港時に検疫が行われた。その後、香港で1月25日に下船した男性の感染が発覚したため、船が3日に横浜港の大黒ふ頭沖に到着した際、那覇の検疫を取り消し、異例の再検疫を実施。3日の横浜入港時、乗客2666人(日本人1281人)と乗員1045人の計3711人が搭乗していた。同省などは5日以降、乗客に自室待機してもらうなどして感染拡大防止を図ってきた。
厚労省は15日、全乗客にウイルス検査を行い、陰性なら19日以降に下船させると発表。80歳以上の高齢者で持病がある人らについては、陰性なら14日から下船させている。
時事通信社