
パリ:カルロス・ゴーン氏の弁護団は、金曜日、ゴーン氏の前雇用主であるルノーに対し、高額の退職金の支払いを求める訴訟を延期した。フランスの自動車メーカー、ルノーがゴーン氏側に裁判準備のための時間を十分に与えなかったことを理由としている。
パリ郊外、ルノーの本社に近いブローニュ=ビヤンクールにある裁判所は、より多くの時間が必要であるという要求を認め、改めて4月17日に審理を設定した。
「ルノーから答弁書を受け取ったのは月曜日のことです。4日で20ページにおよぶ答弁書に回答するのは明らかに時間が足りません」。ゴーン氏の弁護士であるレティシア・テルニジンは、聴取のあと報道陣にこう伝えた。
ゴーン氏は250,000ユーロ(約270,000ドル)の退職金の支払いを求めているが、ルノーは2018年11月、ゴーン氏が会計上の不正行為を働いたとして日本で逮捕された衝撃的な事件のあと、CEO職の辞任を強いられたことを理由に支払いを拒否している。
元業界の偉人は、自らの意思をもって正式な形で辞任したと主張している。
ゴーン氏はさらに大きな賞金を要求している。年間774,774ユーロの補充年金の生涯受給と、目標達成の成功報酬としての380,000株だ。
これは現在の市場価格では、1200万ユーロ以上の価値の株式となる。
一方、ゴーン氏はベルサイユ宮殿で開いた2つのパーティーについてフランス検察当局の捜査を受けている。パーティーの1つは、2016年に行われたゴーン氏の豪勢な結婚式であり、ルノーの資金から一部費用が賄われたと言われている。
ゴーン氏はフランス国税局からも、ルノーとオマーンの販売代理店の間で疑わしい金融取引があった件と、オランダにあるルノーと日産の共同子会社RNBVが結んだ契約書の件に関して調査を受けている。
日本では、ルノーのアライアンスパートナーである日産の会長として、ゴーン氏が報酬を数百万ドルも過少報告していたとし、今も複数の容疑がかけられている。
ゴーン氏はこれらの容疑をすべて否定しているが、昨年末、裁判開始を待たずして故郷レバノンへ飛んだ。
AFP