• シリア人難民、他都市登録者はイスタンブール退去を迫られる
• 多くの移民は来年3月の投票前に反移民のレトリックが高まることを恐れている

イスタンブール：ロイターのインタビューに応じたシリア人移民によると、反移民感情、経済的苦境、政治的圧力により、トルコに住む330万人のシリア人の一部はシリアへの帰還を計画、またはヨーロッパに避難先を求めるようになっている。

彼らは、5月の総選挙で行われた、民族主義的感情を利用しようとする取り組みに呼応して、来年3月の地方選挙のキャンペーンで移民に対するレトリックが台頭することを懸念している。

現在イスタンブールに住んでいる移民たちの多くは、より差し迫った心配事、つまり、トルコの他の地方で住民登録されている場合、イスタンブールを去るようにという当局の9月24日という期限に直面している。

ある32歳のシリア人は、密入国あっせん業者に支払うお金を貯めており、ベルギーに行くつもりだと語った。トルコの高騰するインフレと移民排斥のレトリックによる苦難が、彼の決断を促したという。

「私たちは経済悪化の責任を負わされ、スケープゴートにされている。差別感情が高まっている。ここで生活することは不可能になりつつある」と彼はロイターに語った。

32歳の彼は、南東部のシャンルウルファ県で住民登録をしていたため、9月24日の期限で影響を受ける人々の一人である。

人権団体によると、シリア人に対する人種差別的暴力が増加しており、また当局はイスタンブールで登録されていない移民に対してより厳しい政策を採用しており、移民の不安を煽っている。

33歳の教師である別のシリア人男性は、2人の子どもとともにイスタンブールで過ごした10年間で、出費が収入を上回り、もはやトルコに住む余裕はないと語った。

「トルコの経済状況の悪化で、シリアに戻ることにした。シリアでも状況が悪いのは知っているが、ここの状況は私にとってはもっと悪い」と、名前を明かすことを拒否した彼は語った。

現在のところ、ヨーロッパへの出国やシリアへの帰国を計画しているシリア人の数を数値化することはできていない。

トルコ当局によれば、トルコには一時保護許可を持つシリア人が330万人住んでいる。

イスタンブールはシリア人の人口が最も多く、53万2000人を超える。

シリア人はトルコ全土の地方に移住先を割り当てられたが、仕事の機会が多いイスタンブールに行く者が多かった。当局によると、このような人々が市内に何人いるかは不明だという。

移動の期限

イスタンブールで活動する29歳のシリア人活動家アデム・マーラスタウィ氏は、トルコ中部のクルシェヒル県に登録されている。

9月24日が近づき、彼はクルシェヒル県に送られることを恐れている。

「私はここで生活を築くのに苦労してきた。別の都市で最初から生活を再構築するというのか？」と彼は語った。彼は、イスタンブールに落ち着くまで、30以上の都市で職を探したと付け加えた。

専門家は、5月の選挙がそうであったように、3月の投票でも反移民感情が野党のキャンペーンを支配すると考えており、ソーシャルメディア上の敵意など、移民に対する身体的・言葉による暴力が増える可能性を懸念している。

オジェギン大学のデニズ・セルト国際関係論准教授は、「移民排斥のレトリックは3月の選挙前に高まる可能性が高い」と話す。

地方自治の専門家アリ・メルト・タシエ氏は、移民管理の主役は自治体であり、野党は反移民のレトリックを使う可能性が高いと述べた。

5月の選挙キャンペーン中、主要野党である共和人民党（CHP）はシリア人を送り返すと宣言した。同党は、地方選挙における移民政策についてコメントを避けた。

タイイップ・エルドアン大統領は野党の姿勢を激しく批判し、今週開かれた会議で、トルコの難民受け入れは変わらないと述べた。

しかし、去る5月の選挙を前に、エルドアン大統領は100万人のシリア難民を送還する計画を誇示していた。

「我々は自主的な帰還政策を追求し続ける。しかし、政治的利益のために移民を利用するのは不適切だ」と、エルドアン氏率いる公正発展党（AKP）のイスタンブール支部長、オスマン・ヌリ・カバクテペ氏は語った。

しかし、シリア人活動家のマーラスタウィ氏は、このようなキャンペーンが移民の状況を悪化させることを恐れていると述べた。

「地方選挙でポピュリスト的な言説が増えれば、私たちにとってすべてが悪化するだけだと確信している」と語った。

ロイター