
エルサレム:イスラエルは1年足らずのうちに前例のない3度目の選挙準備をしており、有権者は行き詰まりの打開を期待しているが、首相が刑事告訴されているのにも関わらず、世論調査では再び接戦が予想されている。
昨年4月と9月に行われた過去2回の投票では、右派のベンヤミン・ネタニヤフ首相も、中道派の「青と白」を率いる有力候補のベニー・ガンツ氏も、圧倒的な勝者にはなれなかった。
3月2日の選挙を前に、選挙に疲れたイスラエル人はあまり関心を示さず、中には年末までに4回目の選挙が行われる可能性をいやいやながら受け入れる者もいる。
しかし、イスラエル人が最後に投票に行ってから大きな進展があった。
ネタニヤフ氏はイスラエル史上最長在任の首相だが、在任中に起訴された最初の首相となった。
告訴は11月に公表され、先月裁判所に提訴され、ネタニヤフ氏は収賄、詐欺、背任の罪で起訴された。
首相は、複数の容疑を掛けられている罪に関係する事件における不正行為を否定している。
最も重大な申し立ては、重要人物シャウル・エロビッチ氏のニュースサイト「ワラ」が好意的な報道をする代わりに、エロビッチ氏が主要株主の通信最大手「ベゼック」のためにネタニヤフ氏が数百万ドル相当の規制変更をしたというものだ。
裁判は3月17日に始まる。
前回の選挙後、ドナルド・トランプ米大統領は、数十年にわたるイスラエルとパレスチナの紛争を終結させるという、物議を醸す構想を発表した。
トランプ氏が出した条件は、イスラエルの目的に降伏するものだとしてパレスチナ人に拒絶された。
先月この計画が発表された時、ホワイトハウスでトランプ氏の隣に立っていたネタニヤフ氏は、ユダヤ国家にとって「歴史的な」機会であるとしてこれを歓迎した。
ネタニヤフ氏はまた、この取引はトランプ氏との個人的な絆の産物であり、ネタニヤフ氏が首相に再選された場合にのみ実行できると述べている。
しかし、刑事告訴も、トランプの親イスラエル構想も、世論調査に影響していない。
最近の調査によると、ネタニヤフ氏の与党リクードも、「青と白」も、イスラエル国会の過半数の61議席に届かないと見られている。
世論調査の現状は首相にとって朗報かもしれない、とエルサレムのヘブライ大学で政治学を教えるギデオン・ラハト教授は言う。
起訴されたにも関わらず、「彼はより多くの有権者を引き付けてはいませんが、失ってもいません」とラハト氏は述べた。
ガンツ元軍参謀総長は、首相が法的問題で政治に集中できていないことをイスラエル国民に納得させようとしている。
「ネタニヤフは裁判所に行きます……イスラエル市民のニーズに応えられなくなります」とガンツ氏は今週話した。
一方、イスラエルの検察は、ガンツ氏が以前会長を務めていたサイバーセキュリティ企業「フィフス・ディメンション」が公的資金を不適切に受け取ったかどうか調査している。
しかし、検事総長はガンツ氏が調査に個人的に関与していないことを認めた。
ネタニヤフ氏は過去の選挙の前に、重要なナショナリスト、右派の支持を得るための策として、土壇場で選挙公約を作成した、と非難されてきた。
21日のエルサレム・ポストのインタビューで彼は、ガンツ氏は主にアラブ系の「ジョイント・リスト」と、そのリーダーであるアフマド・ティビの支持なしには政権を樹立することはできない、と警告を繰り返した。
「ジョイント・リスト」は前回の選挙では驚くべきことに13議席を獲得し、議会で三番目に大きな議員連合となった。
「リクードが勝たなければ、4回目の選挙が行われるか、ガンツに率いられ、アフマド・ティビと『ジョイント・リスト』に頼る左派政権になるか、どちらかです」とネタニヤフ氏は同紙に語った。
首相はまた、今週、併合した東エルサレムに数千戸のユダヤ人入植者向け新築住宅を建設すると発表した。この建設計画は国際社会の大半から違法とみなされている。
パレスチナの指導者たちは、入植地の発表はネタニヤフ氏の支持基盤を活気づけるための露骨な策だと非難した。
世論調査の変化のなさを受けて、両党は投票率への懸念を強めている、とラハト氏は言う。
有権者が無関心になるため、「世界のどこでも、3つの選挙が極めて短い間隔で行われると投票率は低下します」と話した。
しかし、9月の投票率は4月と比べてわずかに上昇した。
「イスラエルでは、どうなるか分からない」とラハト氏は言った。
AFP