
ベイルート:レバノン軍事裁判所は、過激派組織ダーイシュの幹部に対し、治安部隊に対する死者を伴う攻撃を実行した罪や、政府庁舎や民間人が密集する地区を標的とした攻撃を計画した罪で禁錮160年の判決を下した。司法当局者らが27日に明らかにした。
当局者らによると、50代のパレスチナ人であるイマド・ヤシン容疑者は、「テロ組織」への参加、レバノン最大のパレスチナ難民キャンプであるアイン・エル・ヒルウェにおける犯罪の実行、レバノン兵に対する銃撃、過激派組織への武器・弾薬の輸送など、自身にかけられた11の容疑を全て認めた。
規制に従って匿名を条件に語った当局者らによると、イマド・アクルとしても知られるヤシン容疑者は、2つの主要な発電所とベイルートの主要テレビ局本社の爆破、有力政治家の殺害、ベイルートの北にあるホテルの襲撃など、他にもいくつかの攻撃を計画していたと述べたという。
ヤシン容疑者はダーイシュに参加する前は、今もアイン・エル・ヒルウェで活動しているアルカイダ系組織「ジュンド・アル・シャーム」など、他の過激派組織のメンバーだった。その後、同キャンプにおけるダーイシュ最高幹部となった。
ヤシン容疑者は、6年前に港湾都市シドンに近いアイン・エル・ヒルウェで拘束され、それ以降拘留されている。当局者らによると、同容疑者が受けた合計11の判決を合わせると禁錮160年に相当するという。
同容疑者が判決を受けた裁判は25日夜に始まり、26日未明まで続いた。
ダーイシュは、イラクおよびシリアでの台頭の最盛期にあった2014年、レバノン各地で実行され多数の死者を出した一連の攻撃について犯行声明を出した。
AP